イーロン・マスクの主要事業とその近未来
前回の続きです。
イーロン・マスクが手掛ける主な事業の現状とそのつながりについて書いてみます。
まず、彼が経営を担う企業について、3年前に時系列で連ねたのでそちらに委ねます。
3年前からの大きな差分を列挙しておきます。
SpaceX:次世代宇宙船StarshipのFlight Test成功
Tesla:電動貨物自動車「サイバートラック」の販売。アンドロイド「Optimus(またはTesla Bot)」の開発
X:旧Twitterの買収完了
xAI:AI開発企業を立ち上げし巨額調達に成功。投稿時点ではx向けチャットボットとして提供。
Neuralink:臨床実験の開始。
DOGE:政府効率化省の共同最高責任者に就任
現状を知るには、先日行われたCES2025でのイーロンのインタビュー動画が参考になります。
以下、要約です。
なお、AIの進化については、イーロン自身もCES2025のNVIDIA CEO講演を見ることを薦めています。私も強く推します。
前半は歴史と最新GPUの話なので、一般向けには後半からでもよいかもしれません。図解したものを貼っておきます。
イーロンの事業に戻します。
彼はこの数年で、TeslaとSpaceXの技術交流も進めています。(人材交流は以前から)
例えば、Teslaのサイバートラックの頑強さはステンレスを採用したからですが、この素材はSpaceXのStarshipから横展開されたものです。
逆に、Teslaの開発したバッテリシステムはSpaceXロケット群の電気制御領域で活用されており、自動運転技術もロケットの自律制御領域に活用されている可能性はあります。(ここは非公開)
そして現在X向けに絞ったxAIのGrokですが、今計画中の大規模AIセンターが稼働するとぐんと飛躍的に進化します。
その先には、NVIDIAと同じく、既存データをもとに合成データを生成する世界基盤モデルを目指し、仮想世界だけでなく物理世界のロボティクス全般に実装していくと予想されます。
そのロボティクスには、Neuralinkの手術ロボット(ここも強みの1つ)も含まれ、より精密なオペレーションが期待できます。
その先には、人間の思考でコンピュータを操作できる時代が到来してきます。そうすると、人間とマシン(宇宙船含む)とのかかわり方が根本的に変わってくるかもしれません。
最後はもはやSFですが、今までのイーロンの快進撃を見続けていると、不思議なリアリティを感じます。
また、宇宙・自律運転・BMI(脳とマシンの連携)・AI分野は国家規制が障害になりがちです。そこにイーロン率いるDOGEがどこまで規制緩和できるかがカギとなってきます。
ということで、すべてが事前に計算されているわけではないと思いますが、彼がトップとして率いる組織が今年有機的につながっていく年になるという予測で締めたいと思います。