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mRNAワクチン応用例:マラリアとがん

2023年のノーベル生理学・医学賞は「mRNAワクチンの基礎研究」に貢献したカリコ氏たちに贈られました。

新型コロナワクチンとして話題性が大きすぎるので見えにくいですが、それを狙ったわけではなく、30年以上前からの地道な研究の積み重ねと社会背景が重なり合ったものです。

ポイントはあくまでmRNAを通じて免疫を獲得(異物を退治する人体内での自助機能)することで、幅広い用途が期待されています。

パンデミック以前から注目されていたのが「マラリアワクチン」でした。
以前にも紹介した関連記事を載せておきます。

この後日談として、正式にWHO主導のもとでマラリアワクチンの配布が決定されたようです。

ようは、
12か国のアフリカ諸国で1800万の投与配分が決定され2025年までに順次実行に移る、
というものです。

このワクチンの配分をどうするかは非常に難しかったと想像します。

ただ、アフリカ大陸というエリアに絞ったのは妥当性があり、依然として「マラリア」はで最も致死率の高い病気の一つです。
上記サイト内の説明をそのまま書くと、5歳未満の子ども約50万人が死亡し、2021年には世界のマラリア感染者数の約95%、死亡者数の96%を占めているとのことです。

この数年間での効果を心から見守りたいです。

もう1つ、今後mRNAワクチンの応用が期待されているのが「がん」です。

「がん」となると、むしろ日本が最も羅漢率が高く、統計的には二人に一人がかかる病気です。1つだけ参考サイトを紹介します。

この「がん」への治療についても、mRNAワクチンを用いた基礎研究がつづけられており、最近リリースされた記事を1つ取り上げておきます。

ようは、
がんのmRNAワクチンに補助的な工夫を凝らすことでより実験効果を高めることができた、
という話です。

記事内の図が説明的でわかりやすかったので張り付けておきます。

出所:上記記事内の図

独創的なアイデアが、上記図の「くし」にあたる2本鎖RNAで、ここが、免疫機能を活性化させる補助的な役割を帯びるわけです。

本文でも記載がありますが、まさに「RNA工学」と呼べる手法で、今回のくし形にとどまらずナノテクノロジー(分子レベルのサイズを取り扱う科学技術の総称)全体に広がりそうです。

最後に、今回の受賞は共同研究者の2名ですが、もしかしたら3人目だったかもしれない日本人がいた、という記事が印象的だったので紹介します。

ノーベル賞には、故人は対象にならないというルールがあります。
ただ、もしかしたらその方の貢献を尊重して、3人目をあえて空席にしたのかもしれません。

と、勝手な妄想を膨らましましたが、まずはmRNAワクチンによる人命救助の効果が最大限出ることを願っています。

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