太陽系の最寄りにミニマム級の惑星が発見されました
(画像はESOサイト(https://www.eso.org/public/news/eso2202/))
嬉しい知らせが飛び込んできました。
太陽系の最寄り(なんと約4光年!)に新しい惑星が発見されました。
地球で言う太陽(光を放射する恒星)に当たるのがプロキシマ・ケンタウリで、惑星の発見順にb,cと付記し、今回は3番目の"d"がつけられました。
実は初めに見つかった"b"は「ハビタブルゾーン」、つまり人類が生存出来る可能性のあるエリアとして注目されています。
今回の惑星はこのゾーンから外れてはいますが、それでも今後の探索が期待できることは間違いありません。
嬉しいので、今回は発見の歴史とエピソードを添えておきます。
1915年:プロキシマ・ケンタウリ発見。赤色矮星に分類。(名前の由来はケンタウルス座の運動との関連)
2013年:ヨーロッパ南天天文台(ESO)の望遠鏡で惑星「プロキシマ・ケンタウリb」を発見し、2016年の調査で確認
2019年:ESOが惑星「プロキシマ・ケンタウリc」を発見し、2020年に確認
2020年:"b"の再観測中に3番目の惑星"d"を発見し、2022年2月にESOがその存在を確認
と、”b”の探索中の過程で今回見つかったわけですが、実は"b"には、生命をはぐくむ海の可能性が以前から取り上げられています。
そして、この最寄りの惑星に、無人探索機を送ろうという野心的な計画が進んでいます。
その名も「スターショット計画」といいます。
物理学者スティーブン・ホーキングとロシアの投資家が中心となって立ち上げた地球外の知的生命体を探査する団体「ブレイクスルー・イニシアティブ」の1計画です。
到達までの動力を獲得する発想がとても面白いです。
普通はロケットに燃料を積んでその噴射で、と思い描くと思います。
スターショット計画では、「スターチップ」と呼ばれる数g規模の超小型探査機に4m四方の帆が取り付けられています。
その帆に対して、地球上から光のビーム(レーザー)をあてつづける、つまり押し続けることで目的地を目指します。
「そんな馬鹿な」と思うかもしれませんが、ある程度理論的な構想は終わっており、それに従うと打ち上げ10分で光速の20%にまで到達します。
距離が約4光年(光速で4年)ですので、20年で到達できるというわけです。
現時点ではレーザにも溶けない素材開発など技術的な課題に取り組んでいるところですが、とても夢がありますね。
興味を持った方は上記の公式サイトや下記記事を参照ください。
冒頭の記事に戻ります。
実は今回新たに発見した惑星はESPRESSOと呼ばれる最新観測機器の成果です。
今後もこの最新観測機が太陽系外惑星を発見することが期待されています。
ぜひコーヒーでも飲みながら今後の成果を楽しみに待ちましょう☺