オウムアムアはダイソン球の破片だった!?
※タイトル画像の出所:Kevin Gill
以前に、恒星間天体「オウムアムア」の話をしました。
これが「地球外知的生命体(以下ETと略記)の宇宙船だ」という野心的な説を唱えているのが、上記記事でも紹介したアヴィ・ローブという天文学者です。
ETの証拠としてもう1つ、ダイソン球について以前取り上げました。
ようは、恒星を囲んでエネルギーを完全に吸収する仮想的な球体の候補が7つある、というはなしです。
と、ETがらみで2つの別の話を紹介しましたが、なんとアヴィ氏の最新論文(こちら)で、
「オウムアムアはダイソン球の破片だ」
という大胆な説が展開されています。
アヴィ自身の一般向けBlogでも触れています。
・・・これは胸が熱くなります・・・。
ただ、よくよく鑑みると彼の説をうまく収める合理的な流れだと思います。
知的生命体の船であれば、わざわざバレるような軌道を撮るとは思えないですが、それが残骸(制御不能)であれば話は別です。
もう1つの利点が、ダイソン球の建設構造にあります。
以前にその作り方について触れ、
自律型製造するためのロボット
強靭かつ軽量な素材を作るためのナノテク
の技術が進歩すればよい、という表現にとどめました。
ただ、いくらナノテクが進化しても一体化した構造物を造るのは難しく、実際にはタイルでつなぎ合わせたものだと思います。
他の科学者の説によると、以前に紹介した太陽帆(以下記事)の構造とし、重力とエネルギー放射力が釣り合った状態で軌道上を浮遊した状態です。
では、そんな超文明が構築したパネルがなぜ破片となったのか?
宇宙空間は無味乾燥でほぼ真空状態にみえますが、我々地球の周りは「宇宙デブリ(ごみ)」が急増しています。詳細は過去投稿にて。
地球と同様、高度な文明ではデブリが存在し、それがタイル状のダイソン球を破壊し続けてオウムアムアとなった、という仮説です。
論文では具体的に、センチメートルサイズのデブリが15秒ごとにタイルにぶつかると計算しています。そして同じペースが続くと、10億年後には穴とタイルが同面積となって、さながらザルのような形状となります。
そう考えると、純粋な重力以外の力が働いた理由だけでなく、ザルの断片だからあのような非自然な形状なのかも納得がいきます。(余談ですが、最新の研究では円盤型のほうが観測結果を説明しやすいとのこと)
単にオウムアムアだけをみるよりも、このような大きなストーリーを描くと、より信ぴょう性が増しますね。
陰謀説には騙されないようにしたいですが、たまにはこういった夢想に耽るのも一興です☺
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