見出し画像

滑らかな人工筋肉の発明でバイオインテリジェンスが加速

人工筋肉の開発で、画期的な進展があったようです。

ようは、
硬さと柔らかさを滑らかに行き来出来る合成人工筋肉の開発に成功した、
という話です。

筋肉の特徴は、我々の意思によって硬く・柔らかく調整できます。

人工筋肉では、その調整役を電圧負荷で指示します。と書いてますが、なかなか難易度は高そうです。

重要なセンサーの作り方ですが、まず、カーボンナノチューブを超音波分散技術で液体シリコン(よく整形外科なので聞きますね)と混合させます。

その原料のようなものを、均一にコーティングして電圧を読み取る電極(細かくは陰極)相当の部位が出来上がります。

「超音波分散技術」が初耳だったので調べてみると、ようは超音波を液体にあてることで内部で速度変化が発生し、それが高温・高圧の場を発生させ、結果として一部液体が引き寄せられ、全体としてうまく攪拌されます。

これはこれで興味深い技術だったので、1つ参考になったサイトを紹介しておきます。

それともう1つの電極(陽極)を金属でメッシュした加工品を仕込み、その2つの電極の間に実際に筋肉に相当する層(ポリ塩化ビニルゲル誘電体と呼ばれているもので出来ているよう)が位置します。

たとえるなら、細かい電気的な指示で剛性が変わる個体電池でしょうか?

元論文からそのイメージ画像も紹介しておきます。

出所:上記論文内の画像

上記論文がこの研究の位置づけについてふれており、画期的なのはその可変剛性の仕組みとのこと。

従来の可変は形状記憶合金が中心でしたが、応答速度が1秒以上かかっていました。確かにそれだと我々の筋肉への指示としては遅いですね。

今回は、静電吸着技術に基づく電気制御での可変剛性というアイデアを採用しています。
電気を流すと聞くと人体への影響を心配するかもしれませんが、電圧は数百ボルトですが、電流はほんの数マイクロ(10のマイナス6乗)アンペアです。(ようは人体への害はないと思ってください)

やや込み入った書き方になったので、今回の画期的な点だけを砕いて抜き出すと、
従来別々に製造していたセンサーと駆動にあたるアクチュエータを融合した
という点です。

まだ開発段階ですが、この原理が応用されると人体だけでなくスマート技術として結構使い道が広がりそうな予感がします。

記事内では、ロボット工学と医療への貢献を期待しているとのことで、確かにまずは例えば義肢が思いつきます。

我々の脳とセンサー/駆動部にあたる手足など各人体パーツも還元すると電気信号の組み合わせなので、相性が良いどころかいつかはデジタルカメラのようにアナログや目視との見分けがつかなくほど解像度が高くなる可能性も否定できません。

こういった技術を「バイオインテリジェンス」と総称するケースをちらほらと見かけるようになりました。

今回の成果が他の研究に及ぼす反応速度が一気に高まるかもしれません。

いいなと思ったら応援しよう!