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マンモスのミイラと再生!?

北米で初のマンモスが(化石でなく)ミイラ状態で発見されました!

ようは、
カナダ北西部の永久表土で、鉱山採掘中にたまたま凍結状態のマンモス赤ちゃんを発見した、
という話です。

凍結状態でマンモスが見つかったのはこれで史上2回目の出来事です。
化石とミイラとではその価値がぐんと変わってきて、特に注目されているのが「失われた種の再生」です。

ちょっとジェラシックパークを連想させる表現ですが、残念ながら恐竜は今でもその実現はまだ難しいです。
理由は、既に7千万年以上たっておりその元にあたるDNA自体が宇宙線や酵素の影響で痛んで読み取れないからです。(映画では恐竜の血を吸った蚊が琥珀に閉じ込められたという設定ですが、これでも保存は困難)

一方で、マンモスは我々人類と共存していたくらい近い過去で、大体数万年前と見積もられており、今回発見されたものも大体4万年前と推測されています。
そして残念なことに、今から大体3000年前にマンモスは絶滅しており、現存していません。

たったの数万年でかつ凍結状態なので極めて保存は良い状態です。DNAも読み取ることが出来ます。

突然ですが、実は既に「マンモス再生計画」は成功しています。
シベリアなどで見つかった数年前の保存状態のよい(DNA抽出可能な)ケナガマンモスを元にした計画です。

この一連の活動を記録したノンフィクションも和訳されていますので紹介しておきます。(以下の情報も書籍を中心に記述)

主役は、ヒトゲノム計画にも携わったジョージ・チャーチ博士が、絶滅種をよみがえさせる一環でマンモスの再生を実現させました。

これは遺伝子工学の歴史に寄り添った壮大なチャレンジで、直面した課題に対して、新技術による克服や投資してくれた人との出会い(なんと不老に関心があるピーター・ティールも登場)を生々しく描写しています。

技術だけに絞って書くと、下記のような課題解決をクリアして「ケナガマンモスの再生」プロジェクトは結実しています。

1.遺伝子(DNA)を編集する負荷→遺伝子編集技術CRISPER Cas9の活用
2.体を構成する各器官の元となる幹細胞がない→山中教授のiPS細胞を活用
3.倫理上の問題で子宮に遺伝子注入が出来ない→人工子宮の製造

ちょっとだけ現実に戻すと、厳密にはケナガマンモス自身を全身再現しようとしたものでなく、それを構成する器官(ヘモグロビンとか)を培養して細胞分裂可能な状態にしてこの種特有の形質を発現させる、というのがゴールです。(ちょっとがっかりさせてしまったかもしれません・・・)

ただ・・・ご安心(?)下さい。

ジョージ・チャーチ博士はその後もプロジェクトを発展させて、新しく事業を起こしました。
それは、シベリアのツンドラ地帯に完全なクローンマンモスを復活させることを目指したものです。

まず、素朴な疑問として「なぜツンドラに復活?」と思うと思います。

博士によると、今ツンドラに閉じ込めれていた二酸化炭素放出が温暖化ガスとして問題になっており、マンモスを復活させることで当時の自然環境を再現及び維持することで抑制を狙っています。

マンモスを手段とするかはともかく、ツンドラからの抑制を防ぐ試みは実際に行われているのは事実です。
上記サイトでは、ピーター・ティールだけでなく他の投資家との出会いでやっと事業化にたどり着いたとされています。

研究の性質上、ゾウさながらゆっくりとした足どりになりそうですが、そのチャレンジャースピリッツ(今年で68歳!)には脱帽です。

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