古代の巨大衝突!月の盆地が語る地球との絆
月に関する最新情報です。
新たな研究報告によると、月面最古かつ過去最大の隕石衝突地点の年代を特定することに成功しました。
月面上で最大かつ最古の衝突地点として知られるのは、月の裏側に約1,250マイル(2,000キロメートル)にわたって広がる南極エイトケン盆地(SPA)です。過去にも紹介したことがあるので、参考までに載せておきます。
新たな研究の結果、科学者たちはSPA盆地が43億2,000万年前から43億3,000万年前のものであると特定しました。ちなみに、地球が誕生したのは45億6600万年です。初期のころは相当隕石が降り注いでいたのだろうと想像が膨らみますね。
今回の研究材料としたのは、「北西アフリカ2995」と呼ばれる月からの隕石です。(月からの隕石というのも新鮮でした)
2005年にアルジェリアで発見されたこの隕石には、この時代のものとされるウランと鉛が含まれていました。これは鉱物資源としても注目に値する出来事です。
今回の研究成果は、従来予想よりも約 1 億 2000 万年古い結果です。
衝突が最も激しかった時期は42億年から38億年前、つまり月の歴史の最初の5億年に集中していたというのが一般的な見解でしたが、より古い時代から緩やかな衝突があったことが示唆されたことになります。
これは地球の初期の歴史にも影響を及ぼす可能性もあります。
地球と月は初期の歴史で同様の衝突を経験した可能性が高いことは分かっています。ジャイアントインパクト説と呼びます。詳細は過去投稿を貼っておきます。
2024年1月に、JAXAの月面探査機SLIMが無事月面着陸に成功しました。
このときのミッションの1つが、その時の衝突名残である地球の岩石の調査でしたが、現時点でもみつかっていません。みつかるとジャイアントインパクト説がほぼ確定となります。
そしてもう1つ興味深いのが、地球の大気の最も古い証拠は、月の岩石の中に隠れているかもしれないということです。
これは、近年に月面着陸に成功したインドのチャンドラヤーン3号ミッションの調査から見えてきたことです。
このデータによれば、かつて月を覆っていたのは「単一のマグマの海」だったことを示唆しており、そのときに大気を捕捉している可能性があります。
ということで、月への探求は地球への探求につながるということで、これからも続報に期待したいと思います。
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