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生物時計が人類の生活と食糧危機を救うかも!?

以前に、老化を測る時計の話をしました。

ようは、
特定の細胞の動きから生物の老化状況を測れるようになった、
という話です。

老化と聞くと数十年ぐらいの幅で見ないとなかなか分かりにくいですが、日常生活での時計も、生物学的な探索が何世紀も行われてきました。

その歴史を総括する記事が掲載されていたので紹介します。

ようは、
生物はある程度普遍的な仕組みで日常の時を測っている、
という話です。

おそらく直感的に分かりやすいのは、オジギソウ、でしょう。
名前の通り、夜になると眠ったかのようにお辞儀をします。

他にも近い行動をとる植物は相当以前から発見されたのですが、その機構は従来の観察型の生物学では謎なままでした。

そのブレークスルーは、1960年代から解明された遺伝子レベルでの探索(分子生物学)と、それを実験できる環境の進歩です。

特に、ショウジョウバエを使った遺伝子実験(特定の遺伝子にあたり付けをして制御して検証)を通じて1970年代から歴代の科学者リレーでその遺伝子まで特定することに成功しています。

今では「時計遺伝子」と呼ばれています。細かくはまだ探索中ですが、主要な遺伝子は分かっています。

興味深いのは、その時計の原理です。

例えば、昔にあった振り子時計(見なくなりました・・・)。
これはゼンマイで動力を受けた歯車を、振り子が一定の速さでコントロールする機械です。

では生物内の時計で、歯車と振り子に相当するものは?

それがまさに、1960年代に発表され今でも確からしいと考えられている、遺伝子がタンパク質になる過程で起こっている現象でした。

超ざっくりいえば、遺伝子内がタンパク質、にデジタルにコピペされ変換される原理(セントラルドグマ)でその転写スピードを早めたり遅くしたりする遺伝子群が同定されたのです。

生物の種類によってその遺伝子は異なりますが、原理は大まかには似ているようです。

そしてこの20年内では、バクテリアでも近い原理で時計機能を持っていることが分かってきています。

我々人間の生活で、最も時計機能で影響を与えそうなのは「睡眠」だと思います。
これが狂うと快適な睡眠が獲得できなくなるリスクがあるわけです。

この遺伝子制御機構が獲得されたのは、昔からの経験で、おそらくは外部環境の光と闇という信号から予測して行動を積み重ねた結果だろうと思われます。

よく朝型・夜型と言われ、ビジネスノウハウ本ではよく見かけますね。

ただ、もしかしたらそもそもその人の体内で動く遺伝子である程度癖が決まっている可能性もあります。

睡眠研究は日本の科学者で世界的に活躍している方も何名かおり、最近嬉しいことにビジネス番組にも出演するようになりました。

無償で見れるものを1つだけ貼っておきます。

遺伝子レベルでその人のタイプがほぼ決まっているよ、ということですね。

最後に、元記事では興味深い応用も指摘しています。

食物となる植物が、外部の環境変化に応じてどのように生育するのか?
それを時計機能を研究することで最適な管理が可能になり、食糧危機に対応することもできます。

ということで、時計の研究は意外に身近で壮大なテーマだったりします。

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