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Neuralink最新情報が遂に公開。タイピングするサル?

現地時間11月30日に、イーロン・マスク率いるブレインテック企業Neuralinkの進捗報告イベントが行われ、Youtubeでも公開されています。

実に、前回から1年半ぶりとなります。その時は彼らの開発した侵襲型デバイス(頭蓋骨を開けて直接脳に実装)を装着したサルが、テレビゲームで興じる様子をデモで紹介しました。

今回は、その時の映像を振り返ったうえで、新しい成果をイーロン氏自らが発表します。

それが、なんと脳活動でタイピングをするサルです。

出所;上記イベント動画内より(32分ごろ)

正直、いろんな議論を誘発しそうなDemo動画でしたが、少なくとも脳活動を解析する能力は高まった、という表現にとどめておきます。

イーロン氏は初めの30分ほど話した後、開発に関わった方々が代わるがわる担当の進捗をプレゼンしました。神経科学・ロボティクス・微細な電極開発に関わる専門性、などなどです。
脳のインタフェース、いわゆるBCI(Brain Machine Interface)の開発には、多様な専門を跨ったノウハウが求められることを再確認させられる構成でもありました。(そして今回は前回よりもRecrutingのメッセージ色が強かった印象があります)

前回のデモから時間が空いたので、まず、立ち位置の確認です。

侵襲型デバイスを脳内に埋め込んで電気信号を入出力させるという方針は変わってません。

その目的は神経疾患を持った患者を救うためです。

Neuralinkの研究テーマは、以前から他の研究所で行われており、ある意味後発です。
ただ、Neuralinkで特徴的なものは、脳に接続するデバイスがコンパクトでそれでも電極の数が多いこと、そしてそれを実現する脳手術をロボット化したことです。

まずそのデバイスの写真をイベント写真から引用しておきます。デバイスのことを公式サイトでは”LINK”と呼んでいます。

出所:イベント公開動画40分ごろ

つまむ手も見えるので大体寸法のイメージがわくと思いますが、500円玉ぐらいの大きさの円状機器から電極がのぞいています。黒い四辺部は実際の移植時には撤去します。

そしてこの電極の数ですが、図にも表記されているとおり1024個もあり、ここがNeuralinkの技術の強みです。肉眼ではとらえきれない程微細な素材で出来ています。
そして一度脳内に埋め込んだ後は、外部からワイヤレスで充電する仕様になっています。

余りにも微細な電極なので、移植を行うはロボティクスによる手術を前提としています。

会場でもその手術ロボットを動画Demoで紹介していますが、いくつかその画面キャプチャーを貼っておきます。

手術ロボット(R1)の外観
手術ロボットによる術式イメージ
患者の操作脳内コミュニケーションイメージ

後半も各論点の話が続きましたが、全体として目指しているのは、Protype→Productionで、そのためには米国のFDAから承認を得る必要があります。

Neuralinkに先駆けて、競合のSynchronが脳への移植を申請しFDAが認可した話をしました。(下記事)
なお、同じ脳移植でもアプローチが違い単純な比較は出来ないので、両社の優劣とは全く関係ありません。

各プレゼンが終わったら全員(20名ぐらい)が壇上に上がったQAタイムです。やはりFDAに関する質問は上がっていました。

イベント動画より

まずは今回はイベント速報です。ブレークスルーが起こったというよりは、今は基礎研究のめどが立ったのでそれをどう承認そして量産するのか、が壁なのだろうと感じました。

またどこかで補足はしたいと思いますが、最後にこぼれ話を。

このイベント当日に、イーロンはTwitter広告取りやめ騒動でApple CEOティム・クックに訪問したという報道もされています。(本人がTwitterでつぶやいてるので間違いないでしょう)

アイアンマンのモデルにもなったとおり、相変わらずのバイタリティです。
一度マスク氏の脳の動きを覗いてみたいものです☺

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