初の完全民間ロケット発射までカウントダウン
最近の宇宙開発は「民間初」という言葉が目立ちます。つい先日も「民間初の月面着陸」を達成しました。
そして今度は日本国内での「民間初」が控えています。
このスペースワンという民間出資企業ですが、主には下記の企業から構成されています。(その他少数出資は割愛)
キヤノン電子、清水建設、IHIエアロスペース(IA)、日本政策投資銀行
元々3月9日の予定でしたが、どうも発射場周辺の海上警戒区域内に船舶が残っていたため延期になったようです。
ともあれ、ロケット自体の異常ではないため早い段階で再スタートとなったようです。
今回は、二つの意味で民間初となります。
まずは、積荷の人工衛星を軌道に載せるロケット、という意味です。
それまでも、堀江貴文氏が創立したことで有名なインターステラテクノロジー社が、軌道投入まではいかないまでも(サブオービタルと呼びます)、宇宙空間までの到達には成功しています。
もう一つが、発射場含めて同じ民間企業が運営している、という意味です。
そもそも従来のロケット専門発射場は、JAXAが鹿児島県で運営する二カ所(種子島、内之倉)しかありませんでした。
そこに、「和歌山東牟婁郡県串本町」で、民間出資のスペースワンによる射場が出来ました。
このように宇宙に離発着出来る場所はスペースポートと呼ばれ、日本で他にも数カ所あります。
以前に、その1つ大分県について紹介しました。こちらは既存の空港を使って宇宙にも(水平型で)離発着できるタイプです。
振り返ると、20世紀のロケットは「重厚長大」で、その打ち上げ準備や費用面で相当ハードルが高いものでした。実質的に国家規模のプロジェクトでないと・・・というのが過去形です。
興味ある方のために、日本のロケット小史について綴ったものを載せておきます。
それが今回初の民間運営でコンパクトに実施できれば、宇宙開発の機会がい広がります。
そもそもですが、日本は地形的に東が太平洋で拓けています。
地球は西から東に自転する(なので見かけ上太陽は東から昇る)ため、東方向に打ち上げると、自転の力を借りることができます。
かつ今回の串本町は本州で最南端、つまり最も赤道に近いためその力をフルに活用できる絶好の場所です。
その記念すべき1号機となるロケットは”Kii-based Advanced & Instant ROcket System”の頭文字をとって「カイロス」と名付けられ、ギリシア語で「時間」または「機会」を意味します。
ぜひともこの歴史的転換となる完全民間主導によるロケット発射を応援しましょう☺