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日本最北端にある注目のスペースポート(宇宙港)

日本の基幹ロケットH3の商用向け2回目(テスト含めると4回目)となる打ち上げが、11月2日に行われます。

何度か打ち上げ延期が続きましたが、天候不良によるものです。JAXAが公開している打ち上げ制約条件を参考までに貼っておきます。

10/28説明用配布資料より抜粋

ロケット射場は一般的に「スペースポート」と呼ばれます。

一番有名なのは種子島で、H3もここから発射されます。付近には同じく鹿児島県の内之倉という射場もあります。

過去に大分県の取り組みについても触れました。こちら私も一時期関わっており、今でも思い入れはあります☺

そしてもう1つ、日本には注目のスペースポートがあります。

北海道十勝地方(住所は広尾郡)の大樹町に位置し、HOSPO(Hokkaido Spaceport)と呼ばれています。

つい先日、現地を見学してきましたので簡単にご紹介します。

まず、大樹町の場所ですが十勝地方に当たります。以下の画像は公式パンフより引用します。(一部写真撮影NGがあったため今回は公式版のみ使用)

公式パンフレットより

コンセプトにあるとおり、実に40年近く宇宙のまちづくりを目指しています。強みはなんといってもその広大活恵まれた位置にあります。

今の主流は垂直打ち上げですが、地上に完全垂直ではなく東方の軌道を描きます。理由は、地球の自転による遠心力を使えるからです。
つまり、東方が海で開かれているのは結構重要なポイントです。

次に、冒頭の天候不順による延期にあるように、天候はロケット打ち上げ野天敵です。これも「とかち晴れ」という言葉があるとおり、長い日照時間で知られています。

肝心の実績ですが、既に何度も打ち上げに成功しています。

上記にあるインターステラテクノロジーが大樹町に本社を構えて、既にサブオービタル(軌道には乗らないが宇宙空間に到達)ロケットの実験に成功しています。

民間ロケットしては初となった2019年のイベントは、私も現地で見守っていましたが、その時の興奮は今でも覚えています。(午前6時ごろでしたが寒さすら忘れました)

あと数年内には、軌道投入を可能とする本格的なロケット「ZERO」が打ち上げられる予定で、射場整備を急いでいます。

当面はZERO打ち上げがメインですが、ほかにもJAXAや他の民間組織がこの地で実験を行っています。

宇宙の一歩手前にあたる超高度を使った気球や飛行試験が行われています。現地ではその巨大実験場もあるので結構圧倒されます。

スペースポートと聞くと、どうしても宇宙産業だけのものと誤解しそうですが、現地のサポーター一覧をみて驚きました。

ほぼすべての産業が手を挙げており、宇宙産業のすそ野の広さを感じました。

組織でなく個人でも、ふるさと納税を使って応援することが出来ますので、ぜひ関心を持った方は下記サイトを訪れてみてください。

ちなみに、HOSPOには1300mの滑走路があるのですが、1日10万円未満で個人でも貸し切り可能だそうです。
ぜひユニークな持ち込み企画を募集しているとのことでした☺

将来的には3000m超の滑走路開発も検討しており、もし実現すれば通常の飛行機だけでなく水平型ロケット(通常の空港は短すぎて×)の離発着など、より多くの可能性が広がっていきます。

なかでも世界的に注目されているのが、「P2P」と呼ばれる超高速輸送のコンセプトです。実現できれば、地上ならどこでも1時間以内に行き来することが可能になります。

既にSpaceXの次世代宇宙船Starshipがその準備を進めています。過去の関連投稿を載せておきます。

このように、スペースポートは日本の大樹町にとどまらず、世界中で動きが加速化しています。下記が現時点での一覧です。

今回のご縁を通じて、ゲストを招いたスペースポートのWebinarを開催することにしました。

HOSPO立ち上げにも関わり、今は世界でのスペースポート推進に携わるこの分野のフロントランナーです。

無料ですのでぜひ関心のある方は遊びに来てください。上記で触れたとおり、スペースポートは万人に開かれていますので、むしろ宇宙に接点がなかった方に特におすすめです☺

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