人間のリアルな脳をAIで3D化
この数年は、AIが一気に世の中を変えた感があります。
これも、テキストによるチャットボットだけでなく画像化も流行っており、今はその動画が盛り上がりつつあります。
3D化でもいくつか面白い動きがあり、基礎科学にもおいても最近こんな発表がありました。(元ネタはこちら)
ようは、
最新のAIが人間の脳を3次元で表現することに成功した、
という話です。
2次元ですが、タイトル画像で神秘的な画像が載っています。
実に10年間にわたって、Googleとハーバード大学が取り組んだそうです。
対象は、脳の一部である側頭葉の断片(約1mm3)ですが、その解像度は100万分の1ミリメートル(ナノメートル)です。
この内部構造を再現するために、髪の毛の1000分の1の細さでスライスして電子顕微鏡でスキャンし、その結果をGoogleの開発したAIに流し込むという流れです。
一見、少ない量に見えるかもしれません。
この範囲だけでも、約 57,000 個の細胞、約 230 ミリメートルの血管、および約 1 億 5,000 万個のシナプスが含まれています。
そしてそのスキャンした断面図の面積総量は、実に1.4 ペタバイト(テラバイトの1000倍)にもなったそうです。
そして結果として、人間の側頭葉皮質のこれまで知られていなかった仕組みを見出すことが出来たそうです。一部のシナプスの活性度合いなどが特定できたそうですが、ここはもっと詳細が分かったら発信してみたいです。
特に、今回の発表ではGoogleがどのようなAIを開発したのかは公表していません。ちょうど今一般向けAI発表も行われたばかりで、それとの関係が気になるところです。
既に次の計画があるようで、今度はこの脳サンプルの 500 倍の大きさとなるマウスの脳全体をマッピングすることを目指しています。その中でも優先的に、学習と記憶の重要な領域である海馬から始めるとのことです。
なお、今回の成果は下記サイトで研究者向けに公開しているとのことです。深くは見てはいませんが、興味を持った方はぜひ訪れてみてください。
いずれにしても、こんな最新研究結果が誰でもアクセスできるようになったし、しかも言語翻訳や要約などもAIが担ってくれるようになりました。
日常的に使い続けると麻痺しそうですが、改めてすごい時代に生きていることを感じさせてくれます。