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有人宇宙滞在のハートを握るのは3Dプリンタ!?

人類が地球を離れた宇宙空間で長期間過ごすには、いくつか克服すべき課題があります。

おそらくまずは「空気」を連想すると思います。

今は酸素を圧縮してロケットで運んでおり結構なコストとなります。
ただ、これは今後ロケットのコスパが高まれば解決できそうです。(勿論簡単とはいいませんが・・・)

それよりも、まだコスパ以前に技術的な解決策がないのが「宇宙線」被ばく問題です。

地上では、地球を取り囲む地磁気が宇宙線を跳ね返してくれるので気にせずに過ごせます。過去の関連記事を引用しておきます。

その偉大なる防波堤の外に出ると無防備になってしまいます。
宇宙飛行士が宇宙船の中にいるときはやや緩和される可能性もありますが、それを防護する専用の仕組みはまだ確立されていません。宇宙服も同様です。もちろん技術的にできなくないと思いますが、(コストだけでなく)重厚となって実用的でなくなるようです。
ということで今は、地上管制塔や宇宙船の中で放射能被ばく量を計測しながら、基準を超えた被ばく量を超えないように配慮しています。

上記を背景に、そもそも体外防御するという発想を転換する興味深い研究プロジェクトがあります。それを紹介した記事がこちらです。

ようは、
独自の3Dプリンティング技術で宇宙線に強い人工心臓を研究している、
という話です。

人体自体を技術で耐性つけようという、一見ぶっとんだ発想です。

ただ、よくよく考えると今は再生医療の進化で人工臓器の研究はすすんでおり、例えば山中教授の見出したiPS細胞を使った人工網膜など成功例も出てきています。
しかも、宇宙という重力の影響を受けにくい環境であるがゆえに、3Dプリンタでの姿勢制御はむしろやりやすいかもしれません。
上記引用したPULSEというプロジェクトでは、その制御を担う技術が鍵のようです。公式サイトでこの独自技術についてもう少し解説があるので引用します。

ざっくりとしか記載がないですが、電磁気と音響で制御可能な新しい生体素材を開発しているようです。

すごいと思ったのが、宇宙の長期滞在向けだけでなく、宇宙で放射能を浴びた経過を研究することで、地上での老化現象を早回し、つまり老化への研究にも貢献できる点です。
もっといえば、長期的にはそれに関する新薬研究という可能性にもつながります。

勝手な妄想ですが、人工臓器など複雑な3次元構造に特化した3Dプリンタ工場を宇宙空間に建てて、成果物を地球へ逆輸入(?)するという未来は結構ありえると感じました。

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