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日本初の月着陸船の行く末は?

アルテミス計画の初号機が遂に打ちあがりました。今のところORION宇宙船は順調に軌道上を飛行しているようです。

ただ、そこから打ち上げられた日本製の超小型探査機OMOTENASHIは、残念ながら通信制御不能になって月の着陸を断念しました。

上記記事最後にあるとおり、まだ日本初の灯は絶えてません。
現時点で最も早く月に到達する可能性のある探査機の話をしてみたいと思います。

これは、ispaceという民間ベンチャーが挑戦中で、最短で11月30日にSpaceXで打ち上げられる予定です。

ispaceは2010年の設立で、日本と米国、ルクセンブルクを拠点に月面データ調査支援や月への輸送サービス事業などを手掛けています。
まだ投稿時点では非上場ですが、主要株主には日本政策投資銀行やエアバス、あとは元ソフトバンクGで今は個人投資家の佐護勝紀氏による出資でも話題になりました。

ここで開発されている月面探査車は「HAKUTO-R」と呼ばれます。

元々のきっかけは、人類初の月面探査レースGoogle Lunar XPRIZEに参加したことです。
XPRIZE財団という、人類のブレークスルーを支援する非営利財団がスポンサーのコンテストです。ルールと賞金は下記の通り。

月面に純民間開発の無人探査機を着陸させ、着陸地点から500m以上走行し、指定された高解像度の画像、動画、データを地球に送信したチームに優勝賞金2千万ドルが贈られる。

出所:Wiki「Google Lunar X Prize」

結果が気になると思いますが、2007年から2018年という長期間で募集したのですが、勝者は一度も出ませんでした。

ただ、段階的にフェースわけでふるい分けられ、最終フェースに残ったのがMoon Express、Syneyrgy Moon、SpaceIL、TeamIndus、そして今のispaceとなるHAKUTOの5チームです。
コンテスト期限後も、この名前がプロジェクトとして生き続けられているというわけです。

ちなみに、日本語っぽい響きですが「白兎(はくと)」が由来で、日本人に親しみのある「月のうさぎ」から着想したそうです。

下記公式サイトで名前の由来含めて経緯が乗っています。

当初日本人民間企業だけのチームと思い込んでいたのですが、むしろはじめはオランダで開発し、日本人の参画に応じて活動拠点を日本に移したようです。(出資は全て日本)

興味深いのは、月面着陸後の探査車(ローバー)開発に、あの「はやぶさ」開発にも関わった吉田和哉教授を招へいしており、このあたりも重要なポイントだったのだろうと想像します。

過去の経緯から今回の計画に戻すと、今回の月着陸船はUAEの月面探査車を運ぶ予定です。(そのイメージ図がタイトル画像 by ispace)
輸送以外では、月面の環境や資源についての情報提供も収益源とするそうで、ぜひ民間での成功例として月面上で飛び跳ねてほしいです☺

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