人工衛星の孤立化と共用化
先日に、地上だけでなく宇宙でもライドシェアサービスが進んでいる話をしました。
ただ、仲良く組織横断で1つのロケットを使おうという動きもある一方で、依然として孤立化を続ける国々もあります。
最近だと北朝鮮初の人工衛星打ち上げはざわっとしました。
今回は失敗に終わったとみられていますが、おそらくは継続する可能性が高いです。
事前予告なく実施するのでは?との危惧が報道されましたが、今回は事前に国際海事機関(IMO)に通告はしたそうです。
このあたり、どこまで国際的にも法的な規制が敷かれているのかはもう少し知りたいところです。
今回失敗したと思われる打ち上げロケットを韓国が回収したことでも話題になっています。
こちらは科学というよりはほぼ軍事的行為と思われます。どうしても宇宙空間で使われる機器はダブルユース(軍事併用)のリスクがあるといわれているため、国際的な平和利用は今後も欠かせません。
一方で冒頭触れたとおり、SpaceXは自社だけでなく乗合サービスを進めています。これは民間事業である以上は顧客を広げる意味で今後もすすむことが予想されます。
一方、中国も比較的独自路線を進めています。
こちらは民間でなく国家主導ロケットですが、最近ライドシェアの記録を更新したニュースが流れています。
搭載したのはすべて中国の民間人工衛星企業「長光衛星(CGST)」社によるもので総計41機です。下記がその内訳です。
吉林1号GF06A0衛星1~30号
吉林1GF03D19~26号
HEGS-1および吉林1号PT02A01/02
それまでの中国での記録が26機なので成長率はすごいですね。
CGSTは2025年までに300機以上を軌道投入する予定で、2023年は138機というなかなかすごいペースです。
ライドシェアの数で世界記録は、やはり歴史の長いSpaceXです。
その記録は、2021年に打ち立てられており143機です。そのうち自社製の衛星は10機で、残りは他社の民間衛星機器です。1社で最も提供しているのはPlanetという光学衛星企業です。
その143機が積まれた状態が下記の図です。なかなか見ごたえがあります。
ここまでくると、この乗合を調整するビジネスもニーズが出ており、その1つが冒頭記事でも取り上げられたSpaceflight社でした。
もちろんSpaceX以外にも、Rocket Labなどほかのベンチャーも同様の動きを見せているため、この動きは米国のロケットベンチャーでは進むことは間違いないと思います。
願わくば平和裏に宇宙資源を強要せずに共用してほしいものです。