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新政権とイーロンと人間模様

トランプ新政権で、テックジャイアントがほぼ勢ぞろいした話をしました。

ようは、宇宙政策はイーロン・マスクの影響を受ける可能性が高いということです。

上記投稿直後に、さっそくにそれを匂わせる動きがありました。

いわゆる大統領への助言を行う宇宙政策会議ですが、議長はカマラ・ハリス前副大統領でした。

イーロンはかねてより、ロケット打ち上げ手続きの簡素化を主張していました。
彼が率いる政府効率化省の活動で、上記含めた不要な組織はなくしてNASA(新長官は蜜月の関係)にその権限を集中させるのではないかと想像しています。

因みに、打ち上げ手続きが大変といいつつ、2024年のSpaceX打ち上げ回数は過去最高を誇る134回(米国全体で144回!)。改めてそのパワーを感じさせます。

SpaceXの公表値(2025年は計画)

ただ、イーロンの政権参画は既存のライバルとの火種も増やすでしょう。こちらも早速ソーシャルバトルが始まりました。

まず、今回発表されたのは下記の内容です。
・ソフトバンク、オープンAI、オラクルが共同で新たなAI企業スターゲイトを設立
・今後4年間で5000億ドルを投資(先進国の予算規模)
・AIインフラストラクチャの構築には、1,000 億米ドルを即時投入

この計画は、10か月前にリークされており、ある意味予定通り進んでいるイメージです。

オラクルが関わってきたのが意外と感じるかもしれません。

創業者で現会長(兼CTO)ラリー・エリソンは、第一期のころからトランプ支持者として有名です。おそらくは本業シナジーというよりは、ロビイスト活動で参画したのかもしれません。
ただ、オラクルはMicrosoft、Amazon(AWS)に対抗するクラウドサービス(OCI)を提供しています。そしてOpenAIは、2024年にパートナー契約を結んでいます。

文中に率直に書いてますが、Microsoftのガチコンペよりはシェアが低いので折り合えたのでしょう。(過去オラクルとMicrosfoftは仲が悪かったのですが今は和解した様子)

さらに、OpenAIはMicrosoftとのパートナー契約更新(1/21)で、今後Microsoft以外のクラウド契約も可能になりました。(MicrosoftがOpenAI要望キャパを超えたとき、という条件で)

つまり、今回の壮大な計画では、オラクル向けのデータセンターも提供される可能性は高いと思います。もしここがTikTok米国事業を買い取るなら、なおさらです。

もう一つラリーを含める副次的効果が、イーロン対策です。上記のSNS投稿では、ラリーについては一切言及していません。

自伝によれば、ラリーはイーロンのメンター的な存在のようです。(あと、ラリーはイーロンが崇拝するスティーブ・ジョブズの盟友としても有名)

ワイドショー的な話題になってきたのでこれくらいにしておきますが、一部のテックジャイアント創業者たちによる人間関係が世の中を左右していることも事実です。

今最も注目されているAI(元々サム・アルトマンとの衝突もこれが原因)は、今回のスターゲイト計画にとどまらず、色んな産業・社会に影響を与えるほど強力になっていきます。

今回はイーロンの人間関係が中心でしたが、次回は彼の事業を横断的に眺めてみたいと思います。


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