太陽系で最も孤独なヘリコプターとの束の間の別れ
人類移住の有力候補「火星」について、先日SpaceXが1日10回を目指す発表をしました。
その火星ですが、NASAが送った2台のローバー(探査車)が今でも観測結果を送信しています。(中国のローバーは休眠した模様)
特に、2021年に到着したPerseverance(パーシヴィアランス)は、2023年に生命の可能性を示す有機物(芳香族)を発見しました。過去記事を。
実は、このローバーともう一台空を飛ぶ探査機も同時に到着していました。
Ingenuity(和訳すると創意工夫)というヘリコプターです。
当初5回程度の飛行回数を期待していたのですが、なんとそれをはるかに超える72回を記録しました。
それがついに、2024年の1月に通信が途絶えてしまいます。
地上と現地にいるPerseveranceによる必死の捜索活動が行われ、無事に見つかりました。下記がその画像です。
残念ながら、これで飛行計画は終了となりました。
Ingenuityからの最後のデータが地球に送信されたという記事があったので紹介します。
残りの観測データに加えて、ミッションに携わったすべての人々の名前を含む別れのメッセージをチームの自宅に送信したそうです。
そして地上で行われたお別れの様子。
これはほろっとしますね。。。どんなメッセージかは・・・当事者しかわかりません。聞くのは野暮ですね。
さて、これでIngenuityはお役御免かと思いきや、まだ活動は続きます。
飛行とデータ送信は出来ませんが、毎朝規則正しく起きて(電源が入って)周囲の温度計測と1枚の画像を撮って内蔵メモリに蓄積するそうです。
今の予想だと、20年ぐらい持つかもしれないとのこと。
そしていつの日にか訪れてくれるだろうマシンまたは人間を今でも待っています。
逆忠犬ハチ公、とでもいいますか、感情移入してしまう今日この頃です。