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「ブラックホール」とかけて「ベートーベン未完の作品」と解く

ブラックホールが最新のAI技術でより鮮明になりました。

以前に画像化のプロジェクト背景を触れたので引用しておきます。

今回は、初めに画像化に成功した楕円銀河「M87(Messier 87)」の中心にあるブラックホールで、その比較が下記図です。(タイトル画像もここから引用)

Credit: L. Medeiros (Institute for Advanced Study), D. Psaltis (Georgia Tech), T. Lauer (NSF’s NOIRLab), and F. Ozel (Georgia Tech))

リングがよりシャープになってます。

今回使った技法はPRIMOと呼ばれる機械学習の1手法です。「辞書学習」というなかなか耳慣れない用語が記事内に登場しています。
元々は、 PCA(Principal Component Analysis)または「主成分分析(これ含めて「次元削減」と分類されることも)」と呼ぶ手法です。

下記がPCAの解説で分かりやすかったので紹介します。

今回の差分は、それにコンピュータシミュレーションによる仮想データを辞書として訓練させたようで、いずれにせよPCAの応用です。

で終わるとあまりにふわっとしすぎてるので、こちらの研究論文を和訳して抜粋しておきます。

マルコフ連鎖モンテカルロ (MCMC) アプローチを使用して、多数の PCA コンポーネントにおけるフーリエ変換の線形結合空間をサンプリングしながら、その結果の干渉マップを EHT データと比較する損失関数を最小化します。」

とりあえず、雰囲気だけ理解したフリをして流します😿

もう少し冒頭の一般向け記事を読むと、どうもこの技法はベートーベン未完の作品でも使われているようで、そちらに心を奪われました☺

ベートーヴェンは1827 年に亡くなったとき、あの有名な交響曲第 9 番の次にあたる交響曲第 10 番の作業を開始していました。

結局、健康状態が悪化したためいくつかの音楽的なスケッチ(下図)を残したままでした。(ベートーベンは慢性疾患であったと推測されています

出所:ベートーベンミュージアム

それを創造性を求めるAI団体と必要な専門家たちが集って、今回の辞書学習を活用して完成させます。

上記記事でその作成過程の葛藤がつづられていますが、技術的問題だけでなくやはりAIが芸術に踏み込むことへのクレームも届いたようです。

なんとなく共感はしますが、下記の最終的に出来上がった作品を聴くと正直素晴らしいの一言です。

これが出来上がったのは2019年ごろですが、そのころからGPT(話題となったのはVersion3で2018年)など生成系AIが台頭してさらに芸術の領域に踏み込んでいます。

十把一からげにくくることはできませんが、これだけ成果物が素晴らしいと、機械が創造性を獲得する以前に、我々人間の創造性とはそもそも何なのか?を追いかけてみたくなりました。

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