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日本の宇宙飛行士が遂に月面へ?!

まずは残念な話から。

野口宇宙飛行士がJAXAを退職することになり、2022/5/25に記者発表を行うことになっています。

歴代2位の宇宙滞在経験者で話題にもなる方ということもあり、タレント活動含めて啓蒙にあたるのか、または別の分野(昨年末に東大特任教授就任)に進むのか、とても興味深いです。

いずれにしてもJAXAから見ると人材が流出するのは残念ですが、同時にとってもうれしいニュースが流れています。

以前からある話ではありますが、まさか今の緊張した社会情勢で月面着陸を話題にあげるとは思っていませんでした。

関係者の方々は喜んでいると想像します。

背景は元々NASA中心に進めている「アルテミス計画」で、過去にNoteでも触れてきました。

丁度最近、下記で比較的最新のアルテミス計画情報を分かりやすく日本語でまとめていますので、紹介しておきます。

今回は、アルテミス計画でもう1つ今回の日米首脳会談で触れられた「ゲートウェイ」について触れてみたいと思います。

正式名称は、「月軌道プラットフォームゲートウェイ」と言います。(以下ゲートウェイと呼称)
一言で言うと、月周回軌道上に建設する有人の宇宙ステーションです。

今の公開されているデザインでは、太陽光発電で駆動し、通信ハブ、科学実験室、短期居住区画、探査車やその他の無人機用に確保された空間など全てが一体となっています。NASA発表資料はこちらで公開されています。

NASAが全体の主導ですが多国間での共同開発となっており、当初はISSと同様に、米国・カナダ・欧州・日本・ロシアという陣営が予定されてました。

ところが、2021年にロシアが、ISS撤退方針に引き続いて、ゲートウェイ建設にも参加せず、独自路線で進むことを発表しました。

中国も独自の宇宙ステーション運用を続けており、上記記事にもあるとおり中ロは宇宙でも協調路線のようです。つまり、地上と同じような関係が築かれつつありやや悲観的な印象です。

さて、ゲートウェイに日本がどうかかわるかですが、大体は青写真は敷いています。
2021年にJAXA管轄の文科省が公開したこちらの資料を使います。

出所:上記文科省資料
出所:同上

アルテミス計画は既に遅延気味ですので、有人月面着陸は2025年以降になりそうです。
時期はともかく、まずは上記図のHALOとPPEと呼ぶモジュール部品供給がJAXAの役割になりそうです。
ただ、有人月面着陸になると人が移動する月面車(通称ローバ)が必要になり、この段階はではJAXAだけでなく民間企業も名乗りを上げています。

例えばトヨタは既にアルテミス計画を視野においた開発を進めています。

すでに公式サイトでも開発の様子を紹介しています。

もちろんトヨタだけではなく、民間織り交ぜての月面産業を盛り上げていく団体も立ち上がっています。

その1つが「月面産業ビジョン協議会」です。
投稿時点で最新版の発表資料がこちらで、ゆくゆくな月面滞在を常態化した時代における循環型の仕組みを構想しています。

出所:上記協議会発表資料

有人になると、単なる科学技術だけの問題ではなく、社会的な整備が必要になってきます。
しかも難しいのは、地球上の国家枠ルールをどのように敷くのか、ロシア・中国の独自路線もあり、やや悩ましいところです。

難しい問題ははらんでいるものの、まずは素直に日本人初の月面着陸への一歩が進められたことをまずは祝いたいと思います。

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