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侵襲的?なブレインマシーンインタフェース

BMIの脅威について、以前に触れました。

上記で触れたイーロン・マスクが創立したNeuralinkですが、2022年から人体実験への許可申請を当局にあたるFDAに申請していました。
イーロン自身は楽観的なコメントが目立っていましたが、どうも2023年の回答では人体実験を却下されたようです。(厳密には未公開)

上記記事によれば、却下の理由(一部)は下記のとおりです。
・インプラントがリチウム電池で駆動されていることへのリスク
・インプラントに使用されているワイヤーが脳の別の部分に移動するリスク
・インプラントがリチウム電池なしで取り外されるリスク

人体の治験なので一般的には厳しいのだろうと思っていました。

ただ、上記記事で意外だったのが、FDA の担当者によると、人体を対象とした治験デバイスの約 3 分の 2 が最初の申請で合格し、85% が 2 回目の申請で承認されているようです。
もちろん今回の却下で完全に断たれたわけではなく、上記含めた指摘を改善して再申請するのだろうと思います。

Neuralinkの手法は、脳に500円玉程度の大きさのセンサーを直接頭蓋骨を開けて脳に接触させる方法で、これらを総称して「侵襲型」と呼びます。

逆に、直接脳とつなげない方法を「非侵襲型」と呼びます。

例えば、健康診断でも使われている脳波測定もこちらに属します。

何となく、非侵襲の方が脳をこじ開けないので安全性が高いと感じますが、それに対して「ちょっと待った」と唱える記事が先日載っていました。

ようは、
非侵襲と分類されていても、組織・専門家によっては侵襲的とみなされるときもある、
という話です。

非侵襲にもいくつか異なるやり方があり、上記記事ではTMSという手法について例示しています。

このあたりの代表的な侵襲・非侵襲のタイプを分かりやすくまとめたサイトを1つ紹介しておきます。

出所:上記記事内の図

TMSは、脳の皮膚に磁気をあてることで神経細胞に刺激を与えるやり方です。1つだけ解説サイトを載せておきます。

上記の通り、うつ病の治療でよく聞く方法です。

ただ、その刺激が脳内でどのように影響を及ぼすかについて懸念を示す医師がいる、というのが上記記事の指摘です。

以前から「侵襲」という言葉は非日常的だなぁ、単に接触・非接触でいいのでは?と思っていましたが、この記事を読むと、理解がずれてたと気づきました。

大事なのは、身体にどこまで負担を強いるかで、その意味では侵襲・非侵襲という2択に切り分けて良しあしを議論するのは危険ですね。

特に、専門性が高そうな用語はどうしても思考停止でイメージだけでくくりがちで、その意味でこの顛末はとても勉強になりました。

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