もしも地球がトポロジカル絶縁体だったら・・・
面白い記事を見かけました。
ようは、
地球を特殊な単一物質と仮定すると、謎の「ケルビン波」も説明できる、
という話です。
なかなか奇妙な言葉が続くので、その意味から砕いて紹介します。
まず、タイトルにある「トポロジカル絶縁体」ですね。
トポロジカルとは、「連続的に変化させても変わらない性質」を指します。
その絶縁体、つまり電気を通さない性質、なので、従来と異なる(幾何学的な)分類の仕方で金属が通る通らないを定義したものです。
具体的には、内部が絶縁で表面は金属と同じような性質、のことです。
一応Wikiも。
一旦ここまでにして、次に「ケルビン波」について。
Wikiによると、この波には二通りあるようですが、「赤道ケルビン波」の方です。
なぜか赤道直下の海水は東に流れ、その海流の長さは数千キロメートルにもおよぶそうです。しかもどんな不規則な天候に直面しても、です。
天候によらないというのは確かに不思議で、いまだに原理が分からなかったとのこと。
これを地球を仮想のトポロジカル絶縁体とすれば説明がつく、という大胆な仮説です。
トポロジカル絶縁体には、端にエネルギー損失のない「エッジ電流」が流れることが知られています。
この現象は「整数量子ホール効果」として知られており、表面の金属と内部の絶縁体の絶妙な協調で発生するとのこと。1つだけ説明サイトを。
この電流がぶれない赤道付近の海流だ、ということです。
もう少し対応関係を書いておきます。
内部の絶縁体→地球の北半球・南半球
電子の動き(電流)→地球の流体(今回は海流)
何となくはイメージはできますが、それにしても大胆な仮説です。
もともとのきっかけは、海流と同じく地球の流体にあたる「大気」の観測でこの現象を見つけた、というのが発端のようです。(2021年)
その大気が動く原動力は「コリオリ力」と呼ばれる回転に作用する力です。
つまり、地球の自転、です。
こう書いていくと、単なるたとえでなく数学的なモデルとしてはいけそうな感じがしますね。
トポロジカル絶縁体は、エネルギー損失の少ないデバイス開発に応用が期待されています。
・・・となると、この赤道ケルビン波もエネルギーにつかえないものか・・・と夢想してしまいます。
ちなみに、トポロジカルな物質という意味では、既に量子コンピュータのノイズ除去で研究が進められています。これ以上は過去投稿に委ねますので、関心のあるかたはこちらで。
この「もしも」シリーズは、しばらく病みつきになりそうです☺