遺伝子のダークマター(暗黒物質)から、人類がしっぽをなくした原因が明らかに
以前に、ダークマターの歴史について取り上げました。
ようは、
ダークマターとは宇宙初期から銀河に絡みつく見えない物質で、今時点でもその捜索が続いています。
実は、生命科学の分野でも「ダークマター」と呼ばれる物質が存在します。
ようは、
大型類人猿には存在するがサルには存在しない遺伝子の要素を発見した、
という話です。
場所が意外なところにありました。
遺伝子は我々のたんぱく質をつくる領域とそれ以外に分かれます。後者は歴史的にあまり重要視されず「ダークマター」と呼ばれていたこともありました。
ほかにも、「ジャンクDNA」とよばれていたこともあり、詳細についてはこちらに記載しています。
で、今回見つかったのはこのジャンクDNAの領域でした。上記記事にもあるとおり、もはや「ジャンク(がらくた)」ではないということです。
約2,500万年前、人類と類人猿を束ねる祖先が遺伝子的にサルから分岐し、尻尾を失いました。この生理学的なジャンプの謎が今回の遺伝子になります。
長年同じ領域の探索は行ってきました。ところが動きがトリッキー(DNA→たんぱく質の過程で配列修正または間引かれると思われていた)なのでなかなか見つからなかったわけです。
ざっくりその仕組みを説明します。
まず、生命共通の原理として「セントラルドグマ」が存在します。詳細は下記内記事にも触れているので、関心あるかたはそちらを。
この流れは
DNA→二重らせんほどけてRNA→工場でアミノ酸製造
を経るのですが、このほどけるときに実は隠れた遺伝子機能を生成する役割を持ち、それが今回の該当領域です。
たとえるなら忍者のごとく、自身の身を隠して本丸にひっそりと忍ぶイメージでしょうか。
この見つかった遺伝子と同質のものを実験動物のマウスに挿入するとしっぽが失われたので、ほぼ確実のようです。
今回のように、現象は進化をたどると結構ありそうな予感がします。
特に人類特有の知能などは、どうみても連続的というよりは今回のような飛躍的な遺伝子変異が影響を与えていてもおかしくないですね。
その変異が完全に偶発なのか、または大量の宇宙線飛来など外部環境によるのか?このあたりのミステリーもいずれは最新科学が解明してくれることを今から心待ちにしています。
いずれにせよ、我々人類と(しっぽのある)サイヤ人との違いはこれで落着しました☺