宇宙創成の謎が一歩前進:リサージェンス理論のデビュー
前回、宇宙論の大きな謎の1つ「ダークマター(暗黒物質)」の新説を紹介しました。
上記の最後にも触れている、宇宙全体のエネルギー質量分布で大半を占めるダークエネルギーのメカニズムも同じぐらい深い謎です。
そしてそれらと同格(かそれ以上)にあるもう1つの宇宙の謎があります。
「宇宙はどのように誕生したのか?」
というものです。
現状の有力仮説は「量子揺らぎ」によるものです。Wikiにも記載されているので載せておきます。
ただ、量子揺らぎは現象にすぎず、どのように揺らいだのか?まで踏み込みと、下記の2つの有力仮説があります。
1.無境界仮説
2.トンネル仮説
これら仮説について、2のほうが有力とする新たな説を日本の研究グループが最近発表したので、下記プレスリリースをもとに紹介します。
投稿論文はこちら。
まず、両者が立脚している「量子揺らぎ」ですが、名前に含まれた量子力学によるものです。
この理論は、原子サイズ未満でのみ通用するもので、今回の文脈に絡む点だけ触れると、何もかもが揺らいでおり確率的にしか存在することが出来ない、という摩訶不思議なものです。
つまり宇宙という存在自体も確率的にゆらぎ、その揺らぎから生まれたエネルギー差がインフレーション→ビッグバン宇宙に連なるという流れです。
一旦はそんなものだと流してください。
では次にそれぞれの仮説の説明です。
1は、あの車いすの天才「スティーブン・ホーキング」が中心となって唱えたもので、揺らぎを説明するモデル(宇宙波動関数)に虚数を導入することで、宇宙が無から有に滑らかにシフトという説です。
2は量子トンネル効果そのもので、前述の通りどんなエネルギーという壁があっても確率的にはそれを乗り越えることが出来る、という説です。
ちなみに、コンピュータの計算素子である半導体もこの原理で発明されています。
で、今回この2つの説に優劣をつけたのが、「リサージェンス理論」という数理的な技法です。
正直難解すぎてよくわからなかったのが本音です^^;
思い切ってイメージだけ書くと、普通に計算すると発散(無限になる)してしまうものを、例えば発散しないものをうまく組み合わせて分類しなおすことで計算可能にする方法のようです。(表面的です・・・)
余力があればもう少し調べたいと思いますが、まずは今回おいしいところだけを改めて書くと、
「宇宙は量子揺らぎのトンネル効果で誕生した可能性が高い」
ということです。
今回初めてリサージェンス理論という方法が応用されたケースなので、横展開含めて注目したいと思います。