世にも奇妙なロボットたち
ロボットはAI搭載のスマートマシンとも言い換えられまが、その新奇性に着目しているこちらの記事が面白かったので紹介します。
簡単に要約と感想を添えてお届けします。上記記事は写真・動画付きでも紹介されているので、ぜひ時間のある方は訪れてみてください。
1. 注射可能なナノボット:小さな旅人が医療を変える
まずは、「まさか…」と思うような極小サイズのナノボット。エディンバラ大学の研究者が開発した注射可能な磁気ロボットは、血液凝固薬でできており、しかも特定温度で溶ける特殊コーティングが施されています。赤血球の約12分の1ほどの大きさのこのロボットは、外部の磁石と医療用画像を使って血管内を誘導できます。
さらに驚くのが、理想的な治療ポイントに到達するとロボットを束ねて加熱し、コーティングを溶かして薬剤を放出する仕組みです。これでピンポイントかつ最小限の副作用で薬を届けることができると期待されています。サイバーパンクの世界観が、一歩ずつ私たちの現実に近づいてきました。
2. ボストン ダイナミクス「Atlas」
人型ロボット界のスターともいえるBoston Dynamicsの“Atlas”。そのアクロバティックな動きは、動画サイトなどでご覧になった方も多いかもしれません。最近はうつ伏せの状態から、なんとも不思議な姿勢で起き上がるトレーニングを披露しています。脚を腰より後ろに曲げ、回転可能な股関節を使ってぐいっと立ち上がる姿は、人間の動きとは少し異なるため、正直言うと「不気味」に感じるかもしれません。
しかし、この動きこそがAtlasの関節可動域の広さと柔軟性を示してます。災害救助や倉庫内での物資の運搬、将来的には日常生活のアシストなど、さまざまな分野での活躍が期待されています。
3. Ameca(アメカ):リアルな表情を持つ「世界最高峰のロボット」
「世界で最も先進的なロボット」と謳われるAmeca(アメカ)は、その顔芸がとにかくすごい。柔軟な人工皮膚と生成系AIを組み合わせることで、驚くほど人間らしい表情を見せられるのが最大の特徴です。口元や目元だけでなく、手の動きや首の傾げ方なども連動しており、受け答えに応じて自然に反応します。
過去記事にも書いたので、もっと知りたい方はそちらも。
接客対応や社会福祉への応用など、人とロボットが同じ空間で自然にコミュニケーションを取れる未来の第一歩になりそうです。
4. Clone Roboticsの「トルソー」:骨と筋肉を再現する奇妙な白い胴体
人間の筋肉や骨格にかなり近い構造を目指し、電池式の水ポンプとバルブシステムを搭載したロボットがClone Roboticsの「Torso(トルソー)」です。骨盤から上を、人間とほぼ同じ形状の人工骨と人工筋肉で動かすというから驚き。真っ白な“皮膚”に覆われた姿は、どこか幽霊のような不気味さを漂わせています。
現状は動きがぎこちないものの、今後の訓練次第でさらに自然な動作が可能になるとのこと。最終的には、この技術が工場の組立ラインや家事サポート、遠隔医療にも役立つと考えられています。筋肉を持つロボットの実用化が進めば、新たな世界が広がるかもしれません。
5. mCLARI:わずか2センチの「クモ型ロボット」
SF作品ではおなじみのクモ型ロボットが、ついに登場しました。その名もmCLARI。全長わずか0.8インチ(約2cm)の小さなロボットが、4本の脚モジュールで2次元方向に姿を変えながら動き回ります。遠隔操作によって、狭い隙間や瓦礫の下を這い回り、災害現場で生存者を捜索できる——そんな夢のような使用例が想定されています。
まだ高度なAIは搭載されていませんが、適応型ロボットとしては大きな一歩。この技術がさらに進化すれば、大規模災害時に人間では侵入困難な場所でも、スパイダーマンのように軽快に動き回るロボットが救助活動に貢献する日も近いでしょう。
6. デズデモーナ:「ロボット市民」誕生企業が生んだミュージック・スター
以前に人間らしさで話題になった「ソフィア」というロボットがあります。
これを開発したHanson Robotics社の新たな挑戦が、デズデモーナです。
大規模言語モデル(LLM)を脳として活用し、リアルな表情を見せる人工皮膚を備えたヒューマノイドロボットです。自身の過去の体験や個性が蓄積され、将来の行動やコミュニケーションに影響を与える仕組みが組み込まれています。言わば、ロボットが人間のように文化的存在として成長するというビジョンを具現化しつつあります。ぜひまた1年後にどのように成長しているのか、振り返りたいところです。
7. MenteeBot:AI学習を取り込む“レトロな相棒”
関節式の手がどこか懐かしさを感じさせるMenteeBot。見た目はレトロですが、その中身は最新のAIモデルを備え、実地訓練を行いながらどんどん学習する仕組みを搭載しています。例えば、車椅子利用者の荷物を押すのを手伝うなど、日常のちょっとしたサポートを行えるように進化中です。
「Sim2Real」と呼ばれるシステムによって、シミュレーションタスクから現実のタスクへ移行する時間を大幅に短縮できるのもポイント。近い将来、倉庫の自動化から家庭支援まで、幅広い作業をサポートするロボットとして活躍するかもしれません。
8. カシオの「モフリン」:心を癒やす毛玉ロボ
最後は、やわらかい毛に包まれたロボットペット「モフリン」です。時計で有名なCASIOが開発したというのが意外ですね。他にも意外な企業がロボ産業に参入しているかもしれません。
モフリンはハムスターのような丸いフォルムと、もふもふの触り心地がたまらないようです。飼い主の声や接し方を感知して学習します。餌は不要ですが、コミュニケーションが足りないと悲しそうな反応を示すなど、育てる感覚を得られます。
アイボのようにアクティブに動き回るのではなく、人と寄り添うことに特化した設計で、Labotに近いコンセプトですね。
テクノロジーが進むにつれ、「ペットを飼いたいけど、世話が難しい」という人々の新たな選択肢となり得るでしょう。