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輝く太陽から生まれた新しいダークメンバー

前回、新たな科学のダーク(暗黒)メンバーを紹介しました。

ようは、
深海の金属塊からダーク(暗黒の)酸素が発見され、生命の歴史に影響をあたえるかも、
というはなしです。

この文脈でのダークは「謎の」というニュアンスです。

そんな中、本当の意味での「暗黒な」物質についてのニュースが最近流れました。

ようは、
太陽からダークプラズマの観測に成功した、
というはなしです。

プラズマとは、通常は電気的に中立な分子から電子が分離して存在している状態です。なので気体でも液体でも個体でもない「物質の第4の状態」とも呼ばれます。(まぁ電離した気体という言い方でもよいかと)

ちなみに、今年日本でも観測されて話題になったオーロラもプラズマが集まったものです。

それで、なぜこのプラズマが暗黒なのか?

厳密にいうと、暗黒に見える、という表現が正しいです。

我々人間が見える色というのは可視光という限られた波長域しかありません。

Wiki:「可視光線」図内の数字はnmでの波長単位


なので、今回のような超高温の太陽での色を我々が知覚するには、その温度の度合いが分かるように可視光に加工して表現します。

1つ例をあげると、2019年に「ブラックホールの撮像に成功」というニュースがありましたが、あれも実際の色ではなく加工しています。

といった背景で、なぜプラズマが暗黒に見えるかと言えば、相対的に温度が低いからです。

近い例をあげると、同じく太陽にある「黒点」も周囲より温度が低いだけです。それでも4000℃ですが。

今回のダークプラズマですが、出所がまさに黒点で、太陽フレアとともに放出された煙のような様子が確認できます。

出所:冒頭記事内の図

黒点の活動は、太陽の外層大気にあるコロナ(これもプラズマ状態)から電磁エネルギーを放出する可能性を秘めています。
今回確認された煙のようなダークプラズマが、太陽の大気圏から離れるにつれて、ますます多くのプラズマを集め、最終的にコロナ質量放出(CME:Coronal Mass Ejection)につながる恐れがあります。

NASAにはこういった宇宙の天気予報を専門とするNOAAという組織があります。下記が公式サイトです。

NOAAの予報によれば、米国時間で24日午後にこれらの活動によって地球の地磁気に影響をあたえるかもしれないとのことです。

今のところ何か大問題が起きるほどではなさそうで、むしろ地域によってはオーロラが観測できる機会にもなりえます。

このプラズマ状態の太陽フレアのメカニズムは、まだまだ未解明な領域があります。
ただ、今回新たに紹介したダークメンバーは、謎だけでなくオーロラというロマンも与えてくれるので、少し親しみを感じますね。

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