レーザー核融合という長い道のりで力強い前進
核融合反応は次世代エネルギー候補として、長期的なプランで研究がすすめられています。
大きな進展は約1年前、エネルギーの入力より出力がうわまったと報道され話題になりました。
過去の投稿記事を引用しておきます。
ただ、あくまで純粋な入出力比率で、入力や施設運用などもろもろの負荷を鑑みるとまだまだ実用性には遠い段階です。
ただ、国際的には前に進み続けており、「国際熱核融合実験炉(ITER、イーター)」で実験施設を開発するなど、日本の研究グループも関わっています。
その流れで最近、こんな発表がされました。
ようは、
オールジャパンで原型炉の早期構築を目指す、
という話です。
原型炉とは、ざっくりいえば実証機です。
今回全体を取りまとめるのは、量子科学技術研究開発機構(QST)という国家機関です。
国家としても数兆円の投資を検討しており、合わせて核融合発電を見越した法制度の整備も並行して行われています。
後者について関連記事を紹介しておきます。
核融合は名前の通り、2つの原子を1つに融合する際に発生するエネルギーの利用です。
そしてその実現方法は大まかに書きに大別されます。
1.超高温タイプ
1)磁場閉じ込め方式:磁石を周囲に置いて、壁にぶつからないよう磁力でコントロール(プラズマは電気を帯びてるので力が作用)
2)慣性閉じ込め方式:レーザーなどで原子核を押し、原子核はそのままの状態を留まる(慣性といいます)仕組みを使ってコントロール
2.常温タイプ
1)ナノテクノロジー:1000度程度で発生する吸着熱を活用
2)その他
冒頭触れたとおり、入力より出力が多いとはいえその環境を整えるのに莫大なエネルギーを使っています。
例えば、上記のレ1.2)で利用するレーザーを作るだけでも、出力の100倍以上ものエネルギーが必要です。今時点においては本末転倒ですね。。。
が、このレーザーの生成方法で、最近こんな発表が行われました。
ようは、従来の方式より5倍の効率でレーザーから燃料に電力を伝達できる方式を考案した、という話です。
ちなみに、レーザー核融合の分野は日本でも起業が進んでいます。
まだ核融合が実現するのは数十年という長い道(ITERもラテン語で道の意味)ですが、着実に歩みを進めています。
日本はITERの流れが中心ですが、中国では単独でもこの分野には大規模投資を進めています。1つだけ参考記事を。
願わくば人類共通の財産として国際協調の流れで進めてもらいたいと願う今日このごろです。