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第13回【『読んだらバズる ヨンデル選書』①(読書の話)】

2018年11月13日公開 26分54秒


三省堂書店池袋本店で、病理医ヤンデル(いん)が選んだ書籍が棚に並びます(2018/11/30(金)~2019/5月末)。その話をネタに読書について話してみようということになりました。みなさんは、どのように読書と付き合っていますか?
http://ikebukuro.books-sanseido.co.jp/events/3864

いんよう!概要欄




ここからは地引網の収穫です。




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「選書は乙女ゲーフォーマットで」


■ 固有名詞
アニメ 青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない
キャラ 桜島麻衣
書籍 「がん 4000年の歴史」シッダールタ・ムカジー(ハヤカワ文庫NF)
   「伴走者」浅生鴨(講談社文庫)
 


■目次
1. バニーガール先輩かわいいって言いたいだけ
2. フェア? それすごいの?
3. 物語的につながるおれの選書どや!
4. ちょ、ちょっと考え直そうかな


 

1. バニーガール先輩かわいいって言いたいだけ

最初~5分26秒

よう:今期やってるアニメでさ
いん:おお、ほー、おお(笑)
よう:「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」っていうさ、
いん:ちょっと待ってください(笑)ど、どっからがタイトルなんですかそれ(笑)
よう:全部タイトルだよっ。ラノベなんだよ。ラノベ原作だってわかるだろこのタイトルで(笑)
いん:ああ、いやわかりますよ。いや、今そういうアニメやってるんすねー
よう:うん
いん:全然チェックしてなかったなー、うん。青春ブタ野郎がなんとかかんとかの夢を見ない
よう:バニーガール先輩ね
~~~略~~~
よう:で、、まあ最初に出てくるヒロイン、メインヒロインの、バニーガール先輩って呼ばれてる…
いん:バニーガール先輩、うん(笑)
よう:桜島麻衣っていうキャラクターがいるんだけど
いん:なるほど
ようまああああああかわいいんだ
いん:(大笑)くっくっくっくっく  あのー、そうですか。どういう方面のかわいさを…
よう:いやー、えーとね、まあ、ツンデレなんだよね。
いん:(笑)好きですねー。なるほど
ようツンデレ好きだよね、おれね
いん:いやわかりますよ

● このヒロインが低温系でテンション低いまま罵倒してくる。主人公である男子高校生の足をいいタイミングで踏んでは、主人公が「ご褒美です。ありがとうございます」って言う、という天丼(ギャグなどが繰り返されること)がある。キャラクターデザインがすばらしい(よう)

いん:ちょ、ちょっとあのー、キャラクターデザインがすばらしいっていうのは、それはもう、テンプレが完璧っていうすばらしさなんですか
よう:んーとね、えーっと、いや、キャラクターの性格を反映してるっていうのと、そのキャラクターのその、ツンデレの可愛さをね、ブーストしてくれるってことかな
いん:(笑)もう、(笑)きわまっちゃってて、コメントの(笑)しようがない

● 萌えキャラの描き方をしてるから、ほっぺはふっくらしててかわいいんだけど目がキツい。罵倒してるときに生きるキャラクターデザインになっている。すごいなーと思った(よう)
● 我々12回のうち10回くらいはアニメの話してるけど、ここへきて初めて絵の話になった。(いん)
● ただ桜島麻衣先輩がかわいいってことを伝えたかった。(よう)

よう:アニメは見てるんだけどさ、
いん:うん(笑)
よう:最近は本があまり読めないな、と思ってさ。それに押されて。
いん:ちゃんとつながりましたね(笑)
よう:ちょっとつなげてみたんだけど(笑)



2. フェア? それすごいの?

5分27秒~12分06秒

<基本情報>
「読んだらバズる ヨンデル選書」
2018年11月30日~2019年5月31日
三省堂池袋本店4階企画編集棚


● 三省堂書店池袋本店でぼくが選んだ本を並べてくれるフェアをやることになった。すごいことかわからなかったので、何人かの編集者に聞いてみた。(いん)

いん:犬じゃない編集者(笑)に聞いてみた…んです
よう:あのさ、ちょっと話の腰を折るけど、いっちー、あの「犬」って呼ぶので失敗してるからやめた方がいいんじゃないの?(笑)ツイッター上以外では。あの、音声としては「犬」って言わないほうがいいんじゃないの?(笑)

● 編集者は「それはすごい」と教えてくれた。個人の選書のフェアはあまりないとのこと。書店が棚を使ってフェアをやるときは、書店員がテーマを決めて企画を打つことが多いらしい。池袋の三省堂はサイン会をやったことがあって「またなんかやりましょう」と言ってたら本当にやってくれた。
今回のフェアは医学書のフェア。医学書7割その他3割くらいで。初回は50種類。半年間やるんだけど、ひと月に一回15冊追加が入る。(いん)





3. 物語的につながるおれの選書どや!

12分07秒~20分17秒


<選書の方向性>

  • 医学書は自分がこの順で読んだら面白そうと思うもの。

  • 医学書以外はちょっと学術が入ってたり、一般向けに医学のことを書いてベストセラーになってるもの、たとえばシッダールタ・ムカジーさんの「がん 4000年の歴史」とか。読書好きな人にフックがかかるセレクションにした。

  • ツイッターをやっていない医療者がのぞいてみても、手に取れるものも選んでみた。

  • 漫画やライトなものは自分がやることではないので控えようと思っている。



● 浅生鴨さんのエッセイ集みたいのは入ってないの?(よう)
● 意図があって、一冊だけ最初の50冊に選んだ。それは「伴走者」。視覚障碍者のマラソンランナーと、ブラインドスキーヤーの伴走者の話。ケア、介護などと丸かぶりする。(いん)
● 50冊選んだ中から一冊読んだ後に、またフェアに行ったら、関連書籍が増えてる、というようにするつもり(いん)


よう:医学書もさ、物語的に繋がっていくようにするわけでしょ、これ読んで、次にこれがほしくなって、ていうさ
いん:はい、はい
よう:なんかあのー、音楽のアルバムみたいな感じするんだけどね
いん:ああああああ。なるほど。音楽のアルバム。うん、うん、うん
よう:なんかそのやっぱり必ずさ、アルバムの時にさ、曲順大事にしない?アーティストの人って
ん:いやー、今それ、そう、そう、そういうことですよ
よう:選曲をする…一曲一曲作ってさ、どれをまあ、アルバムに入れるかっていうのを考えるときにさ、どれ選ぶかっていうよりはどの順番にするかみたいなのでこう、一つのアルバムでさ、物語を作るみたいなことを、よくインタビューとかで答えてる気がするんだけどさ
いん:そうですね。そう思います思います思います。先輩そういうの、わりと、どうですか、あの、好きですか、それともそうでもない、とかどういう感じ…
よう:えーとね、音楽に関しては、おれまず歌詞が頭に入ってこないタイプなのね
いん:ふふふ(笑)なるほど。わかります、わかりますええなるほど
よう:うん。だからなんか音楽は、なんだろうな、うーん、味が好きなものを食べてるだけなんだよね
いん:あー
よう:物語をあまり感じ取れないんだよ、能力的に
いん:あー、はあ、はあ、はあ
よう:だから、この順番がいいんですって言われてもその歌詞の意味とかがリンクしてるってのもちょっと頭に入ってきてないし、なんかね、あんまり、その、そういうのを考えて作ってるっていうこと自体は全然否定しないし、いい、すごいいいことだなって思うんだけど、物語的にするってのはさ、
いん:うんうんうん
よう:ただまったくおれが受け取れてないっていうね、うん、あのー、苦手意識があるね
いん:では、音楽以外で例えば本のおすすめとか映画を見る順番とかっていう話も時々オタクがよくするわけですよ
よう:(笑)するね
いん:しますよね
よう:映画見る順、なんか映画見る順番、ていうかまあ、おれの場合アニメ見る順番ってことだけどさ、
いん:あれどう思います?
よう:えっと、あれはそうだなあ、ま、でもそうか、医学書読む順番と一緒かもしれないね





4. ちょ、ちょっと考え直そうかな

20分18秒~最後

● 好きなジャンルを勧めるときは、そのジャンルを嫌いになってほしくないから、いきなり味の濃いものをぶつけて引かれたくないけど、万人受けするものを並べても作品自体が名作なんだなと思われるだけという危険性がある。で、「アニメ以外にこんな作品ねえだろ!」というのを三球目で投げてみてデッドボールでおわる、みたいなものやってみたい。(よう)
● まだ選書は途中だけれど、ぼくのストーリーに乗ってくれ、と全部アレンジするか迷っていた。今の話を聞いて「これ読んだらこっちを読む人も多いよ」くらいの雑なセレクションもしつつ、うっとうしいストーリーも与えてみる、というバランスを調整しなおそうかな、と思った。(いん)
● 個人におすすめするときは、たとえば初めに二つ見てもらって、「Aという作品がおもしろかった」と言われたら「じゃあ次はこっちかな」となる。本来は分岐していくもの。選択肢によってストーリーが変わる。(よう)
● 企画としては面白いけど、それをやると15冊じゃ済まない(いん)
● だから選択肢になりそうなものをいくつかまとめておいて、それによってその人のルートを勝手に作ってもらうっていう感じ(よう)
● そのアイデアはなかった。ドヤ顔の選書を少し弱めようかな。(いん)


よう:今パッと思いついたのは、まいわゆるその、ギャルゲーとか乙女ゲームフォーマットだよね
いん:出た。いやーわかるなあ、それすごいわかる。だいたい本読む人ってちょっとそういうのに親和性ありそうなんですよね
よう:うん。もうちょっとね、一般的な言い方でするとさ、フローチャートじゃないけどさ、イエス、ノーみたいなのでこう、さ
いん:だいじょぶ。どっちもそんなに親和性変わんないです、聴いてる人。(笑)フローチャートで「あああ」ってわかる人ってだいたい乙女ゲー好きです、みたいな(笑)まあ、ええ。あ、いや、うーんそうか。いやーーー、まさかの収録でだいぶ考えさせられてしまった。あー、いや、考えますわ。ちょっとあの、見に来てください時々。
よう:そうだね。池袋そんなに遠くないから
いん:あ、そうですか
よう:うん。月…まあだから、棚が月一回変わるんだったら、ちょっと覗きにいけるかなあって気がするけどね


● フェアのために本を読むことはしない(いん)
● 専門書以外の本40冊、自分だったら選べるのだろうか(よう)
● 自分が選ぶと社会学とか博物のにおいがするものになる。(いん)

 来週へ続く・・・








********* 感想 *********

● 概要欄にあるURLはまだ生きています(2023年8月現在)ので、ぜひ見てみてください。くそー、行きたかったぜ、と口惜しい気持ちになれます。

● 選書するさいに物語的にする、という話が、第22回「ひとにオススメすること①」や、その後何度か催される「あの人にアニメをお勧めするなら」企画へのタネになっているのではないかと推測(邪推)します。

● いつぞやの畑亜貴さんの「弱り目に祟られろレディオ」で、ヤ先生のメールが読まれたことがありました。「観光案内をするときに、自分の勧めた場所で感動する人を見るのが好き。感動する人を見てドヤ顔をするのでお前も観光しろ、と言われる」というような内容でした(たぶん)。自分が好きなもの、心を動かされたものを誰かにも体験してほしい、その道筋まで考えたいというのが、ヤ先生のコミュニケーションの一つなのだろうなと思いました。



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