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《第8話》【 Frog Tree 】 ~巻き巻きうんちとソフビ「麟核」とアルマジロトカゲと~

Frog tree】さんとは2017年、まだまだ僕達ソータが駆け出しでカプセルトイの商流を確立していない時代に出会いました。

-FrogTree- 
 カシ(@coas_tree)、コオ(@co_oo)、蟲(@musi0da0)、蟹蟲修造(@731mm88)の4人で構成された大阪を拠点とする造型集団


デザフェスを巡回しているとアラレちゃんの巻き巻きうんちとインコが合体したような「ういんこ」なるものが展示してありました。
一度通り過ぎて2度見!!

ソータはアミューズメント用景品も作っていて、ショップングセンター内のアミューズメント施設にある「すくってちょ」という流れる水から景品をすくい取る機械の景品をずっと探していました。

「ういんこ」が水にぷかぷかぐるぐる回っていたら子供たちが喜ぶんじゃないかとカタギリさん(ソータ)と盛り上がってお声掛けしました。

「ういんこ」の商品化は実現しませんでしたが、皆さんが僕と同じ関西出身ということもあって意気投合し、2018年6月発売「すやすやレオパ」を皮切りに現在までお付き合いが続いています。

 

特にリーダー的存在のカシさんのキャラクターインパクトが強くてとても好きです。

クリエイターであると同時に敏腕営業マン!

色んなクリエイターさんと話す機会がありますが、
カシさん程クリエイターさんでありながら、作品全体の商流展開を見ている人は少ないです。

 

ソータが目指している事のひとつは作家さんと二人三脚で商品を作っていく事

よくスタッフと話しているのですが、ソータは造型作家の集団ではなく、ジャンプやマガジンを出している出版社のような存在でありたい。

漫画家さんと編集者のような関係を作家さんと築くことが出来れば良い商品ができると考えています。

ガチャって毎月発売されるし、なんとなく雑誌に業態が似てませんか?

毎月締切に追われて、てんてこまいのスタッフには感謝しかありません…。

 

そんなこんなで【Frog Free】さんとはとてもいい信頼関係が築けています。

ソータが下請けしているフィギュアの原型を作ってもらったり、表に出ない部分でも多くのお仕事をご一緒させて頂いています。

そんな【Frog Free】さんは自分達でソフビを日本で生産依頼し販売しています。

ソフビもPVCも素材としては同じポリ塩化ビニルですがその成型方法が違う為、それぞれに特徴があります。(ソフビ・PVCは玩具業界での通称です)

ソフビとPVCの比較

現在、日本で流通されるインジェクション成型玩具の95%以上は海外で生産されています。

ソータも例外ではなく、商品のほとんどを中国で生産しています。

中国提携工場

昭和の高度成長期には日本は世界の工場と呼ばれ、葛飾区や墨田区などで盛んに玩具が作られていました。

しかし中国との価格競争の末、日本の工場の多くは廃業してしまいました。

僕がこの業界に入った頃には既に生産は中国でおこなわれ、何度も中国の工場に足を運んでどうやって商品ができるのかを独学で勉強しました。

現在、中国工場の生産技術力は非常に高く、僕たちの技術と生産能力は圧倒的に中国工場に置いていかれています。

原材料費や中国での人件費が上がる中、そろそろ日本に生産拠点を再構築するタイミングに来ていると思っています。


そんな中、日本の工場でソフビを生産する作家さんがおられます。
Frog tree】さんはその一翼で、1番のヒット作といえば【麟核】です!


色んな伝統工芸師やアーティストとコラボして様々な彩色の【麟核】が出ています。


-極彩色のペイントコラボ-



-麟核の擬人化コラボ-



この作品【麟核】の面白い試みだったのが、ソフビからPVCへの転用です。

約18cmあるソフビをカプセルに入るようにサイズを9cmに縮小し、ディティールをある程度デフォルメしてカプセルトイとして仕様を変更して2020年3月に発売しました。

2020年3月  「 麟核 」

ソフビファンがガチャ版になった【麟核】を受け入れてもらえるか大きな不安でしたがSNSの反応を見ると上々でした。また海外の反応が著しく、海外での日本ソフビ作品の需要の高さを改めて感じました。

 

また【FrogTree】所属の蟹蟲修造さんの「1/12オニタマオヤモリ&アルマジロトカゲ」のガチャ化構想は2019年11月4日、浅草の珈琲館でスタートしました。

初めてカシさんに複製レジンの造型を見せて頂いた時には即答で「やりたい」と答えました。

このトゲトゲのディティールを量産でどこまで安定して出せるかがチャレンジでした。

SNSで「組み立てるときにトゲトゲが痛い」との意見がありましたが、狙い通りです。

それくらいターゲットの心に刺さるエッジの効いた商品となりました。


2021年5月「1/12オニタマオヤモリ&アルマジロトカゲ」は発売され、再販合わせて12万個以上のヒット商品となりました。

2021年 5月 「1/12 オニタマオヤモリ&アルマジロトカゲ」

現在、新作に向けて進行中です。


ソフビ・ガチャ・食玩・ブラインドボックス・物販フィギュアなど同じ素材で作られた商品が、それぞれの適正価格・仕様・小売先の違いなどによって独自の文化やファン層を持っています。

その適正に合わせた商品展開をすることが僕たちメーカーの腕の見せ所!

 
そしてメイドインジャパンを牽引する
ソフビ市場とその一翼を大いに担う【FrogTree

今後の展開がますます楽しみです。


2022年 1月28日 

SO-TA/ソータ   安藤 こうじ(@kojiando01


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