《第1話》【電脳大工】個人作家500円カプセルトイの先駆
電脳大工さんとの出会いは2017年5月のデザインフェスタでした。電脳大工さんのブースが大人気で人だかりの中、お声掛けのタイミングがなかなか見つからなかったのを思い出します。
とにかく細かな造型と、伝統の和に今っぽさをミックスするバランスの絶妙さが印象的でした。
その年の夏にスタッフと静岡の自宅まで車でお伺いしました。畳の応接室で作品群を一同に並べて頂き、その場でカプセルトイ化のお願いをしました。
3Dモデリングの先生をされていたこともあり、3Dデータの作り方が非常に丁寧で、担当スタッフの河上さん(SO-TA)が「とにかく電脳さんのデータ入稿は楽!」いつも言っています。
初めてコラボした商品が2017年12月発売【電脳大工 狛狐(こまぎつね)〜白・焔〜】でした。
メディアを使ってプロモーションをしたわけではないのに、大手ベンダーの口座もない中、当時のソータにとっては異例の70,000個の受注!だいきょ屋さんに続いてのこの結果に、しっかりしたコンセプトや物語を持った個人作家さんとのコラボ市場には大きな需要がある確信した瞬間でした。
(2017年12月発売 電脳大工 狛狐〜白・焔〜)
シリーズ累計85万個
それから年3,4アイテムのリリースでシリーズは今も続いており、累計85万個を生産しています。
2019年2月~【ソフビ丸狐シリーズ】
2019年9月~【狐武者シリーズ】
2020年6月~【忍者狐シリーズ】
2020年11月~【エジプト神シリーズ】
電脳大工さんのカプセルトイ化で特に衝撃的だったのが【狐武者シリーズ】です。
当時500円カプセルトイはかなりお客さんを選ぶ市場でした。その市場の開拓をバンダイさんが「ダンゴムシ」というとてつもない商品で開花させるのを目の当たりにしました。やっぱりバンダイさんの技術力はすごいと本当にしびれました。弱小メーカーでは絶対に500円であの商品は出せません。
ただもしソータならこの500円市場にどのようにアプローチすればいいだろう?500円という高価格帯で個人作家さんの造型が受け入れてもらえるのか?原価は合うのか?スタッフ内で様々な話し合いがありました。
結果、狐武者シリーズを発売したわけですが、小さなメーカーが出す500円カプセルの在り方のひとつを提案したと思っています。あの商品にはできるだけ原価を抑えながら、500円で販売してもエンドユーザーに満足してもらえるスタッフの知恵と工夫が詰まっています。
ただし電脳大工さんのデザインと造型でなければこの挑戦を試みなかっただろうし、成功しなかったと思います。
500円カプセルトイにも関わらず、狐武者・忍者狐シリーズ累計で異例の20万個を生産しています。またSNSでの反応がカプセルトイにもかかわらず造型や彩色についての批評が多く、カプセルトイに対するエンドユーザーさんの想いが変わってきたと感じました。
非常に新商品開発の勉強や参考になっています。
2022年に向けての商品展開
そして久しぶりに2021年11月に電脳大工さんの500円カプセルトイが発売されます。
また2022年に向けて新作や新しい流通での展開も現在進行中です。
直近では11月にデザインフェスタがあります。新作のヒントがあるかもしれないので、電脳さんの作品を楽しみにブースにご挨拶にいこうと思っています。
2021年11月5日
SO-TA/ソータ 安藤 こうじ(@kojiando01)