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《第2話》【 だいきょ屋 】 SO-TA/ソータ初の個人作家カプセルトイ
ソータがカプセルトイ業界に参入したのが2015年。
当時、中国・義烏の福田マーケットに並んでいる雑貨をカプセルに詰めて販売していました。まだまだソータが版権に対する知識やコンプライアンスの周知が甘く、日本の作家さんの作品を真似たものを気づかずに商品案内してしまい、ファンの方からのメールで知り、大阪まで作家さんに謝りに行って発売中止にしたこともありました。
オリジナリティのない商品を案内しては受注数量が出ない日々。
商品ラインナップを思い切って変えないと、、、。毎日頭を悩ませていました。
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(中国・義烏マーケット 2016年当時)
まだ個人作家作品をカプセルトイにするのが当たり前でなかった2016年。
そんなある日、デザインフェスタにいつも行くスタッフから「是非カプセルトイ化してみたい作家さんがいる」と提案がありました。
デザフェスは僕もたまに見に行っていましたが、流行りを探りに行く程度で、カプセルトイ化してもらえる作家さんを探しに行くという発想はありませんでした。またプロモーションする費用も術も無く、個人作家さんの商品を金型から起こして何万個も作る事は小さな会社にとってリスクが高く、ソータで型を起こす場合はOEM(相手先ブランド製造)や下請けの時だけが通例でした。
彼がプレゼンしてくれたのは「だいきょ屋さんのお面をミニチュアにし、PVC(合成樹脂)の根付にしてはどうか」というものでした。今ならある程度分かりますが、当時は売れるかどうか全く見当がつかない、、、。が、とにかくやってみよう!!
こんな弱小メーカーで「カプセルトイを作ってもいいよ」と言ってくれただいきょ屋さんにほんとに感謝です。
だいきょ屋さんの主な作品群は張り子のお面に独創的で繊細なメイクデザインと彩色。基本的なお面の形は同じにも関わらず、ひと目見ればだいきょ屋さんと分かる彩色や紋様を使って、季節や情を表現することでひとつひとつが全く異なるお面となります。それがファンを魅了し、だいきょ屋さんのお面を何個も集めたくなります。
作家さんの細部にまで計算しつくされた彩色が成されたお面を5cm足らずのカプセルトイの合成樹脂根付に落とし込めるのか…。
まずはだいきょ屋さんに小さなお面を作ってもらいそれを3Dスキャンしました。
そのデータを3Dプリンターで出力したものをまただいきょ屋さんにお渡しし、彩色して頂きました。デコレーションマスター(着彩原型)と印刷版を作って頂き、量産品に落とし込みました。
大量生産なのでどうしても版ズレが起こったり、デコレーションマスターと量産サンプルの色が違っていたり、今も同じですが何度も何度も工場とやり取りして精度を高めます。(当時はまだ日本の商社を通していました。ご存じの方も多いメーカーです。このメーカーとの関係は後日お話しできたらいいなと思います。)
この要望に最後まで付き合ってくれる工場を探すのは非常に難しい。特にカプセルトイは上代が安いのでそこまでこだわったら利益が出ないと嫌がる工場も少なくないです。
斯くして17年5月に晴れて「だいきょ屋はんなり狐面根付」が発売を迎えました。
5月28日に行なわれたデザインフェスタのだいきょ屋さんブースでカプセルトイ販売もさせて頂きお手伝い。スタートからファンの列がすごい状況で、用意したカプセルトイは30分足らずで完売。もちろんだいきょ屋さん人気にあやかってなのですが、これまで商品は作っても直に商品が売れていく様を体感したことがなく、SNSにも商品の写真がたくさんアップされて、お客さんの声が直接聞けるカプセルトイメーカーって面白い!とワクワクしたのを覚えています。
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(だいきょ屋はんなり狐面根付 2017年/5月発売)
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65327022/picture_pc_d7de1fd9e6bd3e9e3b268b849c5d247c.jpg?width=1200)
(デザインフェスタ だいきょ屋さんブース/2017年5月28日)
「だいきょ屋はんなり狐面根付」はソータの方向性を決めた思い入れの深い商品です。
この商品のヒットがあったから、今もカプセルトイメーカーを続けられていると思います。
だいきょ屋さんとソータのこれから
現在、だいきょ屋さんとソータのコラボで取り組んで頂いているのが「作家アイデアの立体化」です。これは龍面を製作している過程で、だいきょ屋さんに頂いたイラストの中に身体も描かれている龍がいました。作家さんと担当のObayashiさん(SO-TA)との雑談の中で、これを立体化してはどうかという案がでました。そして会議で提案され商品化が決定。イラストをブラッシュアップしてモデリングソフト(Free form)で造型したものを3Dプリンターで出力しました。これはソータで造型を内製化しているからできる試みでもあります。
Obayashiさん(SO-TA)が作家さんのイメージに基づいてモデリングソフト内で立体化していきます。大変根気のいる作業で、何日もだいきょ屋さんにソータの工房に来て頂き、2人の共同作業でだいきょ屋さんのイメージを具現化していきました。今では2人の間で漫画家と編集者のような関係性が築かれています。
そして2021年2月に「だいきょ屋コレクション ちんまり雛龍」は発売されました。だいきょ屋500円カプセルトイは累計で30万個を生産しています。
\2021年8月発売予定カプセルトイ告知 🐉第①弾🐉/
— 株式会社SO-TA【公式】@デザフェス両日I-127,I-128 (@SOTA170317) April 23, 2021
だいきょ屋コレクション ちんまり雛龍(ひなりゅう) 弐
だいきょ屋さん完全監修「雛龍」の第2弾🔥
透明感のあるクリアパーツはそのままに、今弾は背中に煌めくパール塗装が入りました✨
🔽ブラインドボックスでの展開も決定❗️ #だいきょ屋 #SOーTA pic.twitter.com/apV7QPRhqV
ちんまりシリーズでだいきょ屋さんのブランドはカプセルトイの世界においても完全に確立されたと思っています。
固定ファンがしっかりといて、新商品を出せばそのファンが必ず回してくれます。
大きく宣伝しなくても受注数が集まる安定感はベンダー事業者(カプセルトイの店舗設置業者)からもお墨付きです。
これからもソータはだいきょ屋さんが生み出す世界に寄り添い、共にエンドユーザーさんの手のひらを華やかにできればと思います。
2021年11月11日
SO-TA/ソータ 安藤 こうじ(@kojiando01)
生産実績 累計80万個
2017年5月 だいきょ屋 はんなり狐面根付シリーズ
2018年10月 だいきょ屋コレクション其の参 はんなりお面根付シリーズ
2020年9月 だいきょ屋コレクション其の伍 はんなり龍面根付シリーズ
2021年2月 だいきょ屋コレクション ちんまり雛龍シリーズ
2021年11月 だいきょ屋コレクション ふんわり雛龍シリーズ
2022年1月 だいきょ屋コレクション ちんまり仔白沢シリーズ
\2022年1月発売予定カプセルトイ告知 🐐第⑤弾🐐/
— 株式会社SO-TA【公式】@デザフェス両日I-127,I-128 (@SOTA170317) September 27, 2021
だいきょ屋コレクション ちんまり仔白沢(こはくたく)#だいきょ屋 さん(@bird_mohumohu)完全監修✨
「ちんまり雛龍」に続く、たなごころの御伽噺シリーズ第2弾となる「ちんまり仔白沢」が登場します🐐
今回も随所にクリアパーツを使用🐐 #SOーTA pic.twitter.com/bmJGdKKKuu