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《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.32

課題4 女性が新しいことにチャレンジしたくなるコピー
 ・そこで足踏みするのも、
  そこから歩きはじめるのも、
  どちらも靴底は減り続ける。

最近、ズレにズレた仕事が団子のようにまとまって、毎日バタバタしている。コピーを考えてはいても、キャッチフレーズみたいに目立ってカッコイイものではなく、販促物で展開するリード文をつなぎながら本文を構成するものが多い。
文章の塊ごとに関連性をもたせ、それぞれの説明から説得も導き、さらに全体で一つのコンセプトについて説得をしていく。これはこれでやりがいがあり、読み手が気持ちよく読めるように構成して、スーッと肚に落ちるように細かく気を使う必要がるから、体力的に相当疲れる。
この気を使う毎日のせいか、こういう定まりの悪いコピーを読むと、何とも煩わしく感じてしまう。

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女性が女性の情緒に訴求する時、必ずと言っていいくらい1本選ばれるのが、靴を使ったコピー。過去においてもハイヒールをキーワードに使ったコピーが選ばれている。

男性より女性の方が、情緒とファッションは密接な関係があるようで、服・靴・化粧品・アクセサリーというモノを通した表現は、常套句といっていいくらいよく見かける。

朝ドラでヒロインのお父さんが言っていた『やらない後悔より、やる後悔』を、靴をモチーフにコピー化したように思う。個人的には、言っていることはわかるのだが、どうも肚に落ちない。この落とし所なら、別に靴を例えに持ってこなくてもいいし、別のモノゴトを持ってきた方が説得力は増すようにも思う。女性向けに情緒訴求を狙うのであれば、こんなにも理屈っぽい言い回しをする必要は全くないのではないか!? とも。

そして、『そこ』『どちら』というコトバ(指示代名詞)が、とても耳障りだ。

これを添削するなら、
「足踏みするのも、歩きはじめるのも、靴底は減り続ける。」
という書き方だろう。指示代名詞なんかを使って無駄に文章を長くするのは、コピーとしては意味がないように思いますが、いかがだろうか。(そもそも、『そこ』ってどこだ?)

自らの迷いをそのまま伝えるコピー。こういうコピーは、自覚なく吐き出さてしまうことがある。吐き出し、この世に誕生させてしまったのならば、自覚を持って、責任を持って、磨きをしてほしい。磨くことで、アイデアが輝き出すこともある。そして、コトバも輝きを増すことだってあるのだ。ぜひ、磨き作業を念入りに、次回にチャレンジしてほしいと思います。


※作品(コピー)の版権・著作権等の使用に関する権利は、静岡コピーライターズクラブに帰属します。
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