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第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会

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SCCが開校する「コピーの学校」。その教頭として「第10回SCCしずおかコピー大賞」のファイナリスト作品で反省会をしています。 全60作品を教頭はどう考えるのか!? 独断と偏見、…
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#勉強

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 プロローグ〜「メンバーズ大賞、逃しました。」

11月30日に「第10回SCCしずおかコピー大賞」の表彰式があり、その懇親会でメンバーズ大賞の発表がありました。 メンバーズ大賞は、静岡コピーライターズクラブの会員のみで行っている「しずおかコピー大賞」の乗っかりコンペ。要は審査するだけでなくコピーを書いて楽しみたい! というコピーを愛する会員たちの思いから始まりました。半分遊びであっても、書くことに情熱を注いでいるメンバーですから、ライバルに負けたり評価をもらえなかったりすると死ぬほど(泣くほど)悔しい‼︎ 私も含めほとん

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.8

課題1 「静岡企業の東京進出を後押しするコピー」 ・東京は「静岡」を知らない。 都市を擬人化した。人は、人の話に興味がある。芸能ネタからご近所の夫婦仲まで、にんげんの話が大好きだ。巨額を投じて、ハリウッドでは映画まで作られる。そして、世界中の人がその映画を観る。それくらい、にんげんの習性なのか指向性・嗜好性・志向性・思考性なのか(「しこうせい」と平仮名で書けば、ウルトラミーニングだということに今気づいた!)、大好きなのだ。 このコピーは、そこから生まれた。 都市はにんげん

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.9

課題1 「静岡企業の東京進出を後押しするコピー」 ・社史にもう一行。売上げにもう一桁。 このアイデアは課題を読んだ時に頭に浮かびました。東京進出の目的は、事業の拡大に他ならない。事業拡大という課題を持ったとき、静岡企業が東京を目指すモチベーションの根っこは、いったい何になるのか。 (ビジュアルが斜めってしまい、大変申し訳ないです。。汗) 「売上げにもう一桁。」は、惜しい。頭の「社史」は、漢字2文字。「売上げ」は3文字。1文字多いから、見た目のバランスが悪い。故意に1文字多

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.10

課題1 「静岡企業の東京進出を後押しするコピー」 ・「本物」は場所を選ばない。 ちょっとした、名言のような佇まいを感じさせる。堂々としたコピーに思わず頷きたくなる。コピーは、コトバ。コトバである限り、伝達のため文字に起こされたときの雰囲気(=佇まい)も大切だと思う。 これまでの記事において何度も書いてきたように、そうなのだ、静岡県には「本物」と言える商品や製品(工業や農業を問わず)が多い。 裏付けとして、静岡県の統計を出典参照してみる。 よくもまあ(汗)、県の職員はこれ

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.11

課題2:人と人との絆を伝えるコピー ・人が多いだけでは、ひとりのままだ。 今回から、人と人の絆について考える、課題2に入っていきます。そこで、課題2の募集意図が公開されているので、改めて確認してみましょう。 最近、まわりとの人間関係が希薄になっていませんか。「あいさつを交わす」「感謝する」ちょっとしたコミュニケーションが足りていないようです。私たちの未来に欠かせない、人と人との「絆」の大切さを伝えるコピーを募集します。 ※出典:第10回SCCしずおかコピー大賞HP 「第10

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.12

課題2:人と人との絆を伝えるコピー  ・「はじめまして」って冒険だ。こういうコピーに出会ったとき、じぶんが歳を重ねたことを実感する。 これを書いたのは、専門学校生。成人しているのか、していないのか? ご本人に確認しなかったのでわからないが、年齢からくる瑞々しさと清々しさをコトバから感じてしまう。 キャリアとしても、年齢としても、じぶんから先に「はじめまして」と言う回数は減ってきている。(逆に先に言われたりして…。苦笑)でも、過去のじぶんを思い出してみると、一体どれほどの「は

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.13

課題2:人と人との絆を伝えるコピー ・あなたは出会った人からできている 人と人。一人のひとが、一生で出会える人数はそれぞれ。私は一体、何人のひとと会話し、食事し、喜びを分かち合えるのだろうか。 人は生まれることで親に出会う。お腹の中にいる間は、栄養を母親からもらうことはできても、生きるための知識をえることは無いと言っていい。この親との出会いが、最初の社会性だ。生きるための知識や対処法を、じぶんのことのように無償で教えてくれる。そして、家族という最も小さな社会での過ごし方を出

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.14

課題2:人と人との絆を伝えるコピー  ・今日も、知らない誰かの作った服を着る。 数年前、このファイナリストが学んでいる専門学校の学校案内やCM制作に、コピーライターとして関わらせていただいたことがあった。あの広告を見た高校生が入学して学生となり、このコンテストに臨んでいたのであれば、個人的には応援したくなる。だが、審査に私情は持ち込めない。それどころか、審査員は結果が出るまで、誰が書いた作品なのか知らされることが全くない。純粋にその時、その場に集まった審査員の脳内で完結される

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.15

課題2:人と人との絆を伝えるコピー  ・借りたのは、醤油じゃなくて思いやり。 昭和の頃、隣の家に醤油や味噌を借りに行く、というご近所付き合いがあった。なぜ知っているのかといえば、私の母親が子どもの私に言いつけて、近所から調味料の類をもらいに行かせたことがあったからだ。 今では、特に都市部では行われることもないと思うのだが、この緩やかな繋がりを過去のこととして置き去りにしていると、いつか後悔するときが来るのかもしれない。 そんな、ご近所との関わりにこそ絆があった時代から検証して

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.16

課題2:人と人との絆を伝えるコピー  ・いちばん心配かけたくないのに、   いつもいちばん心配してくれる。心配事は尽きない。尽きた時は死んだ時なのかもしれない。 絆を伝えるために『心配』をキーワードとしているこのコピー、キャッチコピーとしては長い部類に入りそうだが、コトバの長さがデメリットではないことを証明してくれたコピーと言えそうです。 このコピーの魅力は、一体何処に。 『心配』というコトバは、日常的によく使うのだが、その意味を感覚でしか理解していない気がしていた。いい機

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.17

課題2:人と人との絆を伝えるコピー  ・天気の話をしただけで、晴れやかになった。実はインスタで空の写真をあげています。世界中に空好きのインスタ仲間がいて、世界中の空を画面から眺めることもある。世界は一つなんだと思えるときは、世界中の空が、似たような色へと順番に染まっていくときだ。空仲間とは、インスタの写真を介し、ときに相手の言語で、ときに言語を超えたコミュニケーションで繋がり合っている。 そんな私に、空に関するコピーを投げかけるとは大胆だ。(そんなつもりはないか。笑) し

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.20

課題2:人と人との絆を伝えるコピー ・助けてくれたのは、いいねをくれないあの人でした。 助けを求めたことはありますか? 思い通りにならないとき。何かをきっかけに負傷したとき。そして、命の危機に瀕したとき。藁をも掴むように、神にも縋るように、友人や知人を、見ず知らずの人を頼ったことはありますか? 私はあります。 大学生の頃、横浜の大学に通いながら、バイク便のライダーをやっていました。情報・出版・広告・建築など、いろいろな企業に出入りしながらバブルの東京・横浜を中心にした関東圏

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.21

課題3:社会貢献したくなるコピー  ・考えると、間に合わなくなることがある。2月も終わるころになって、やっと課題3に到着できました。予想より1ヶ月くらい遅れていますかね。この1ヶ月はありがたいことに、仕事が忙しく休む日もなく書き続けていましたが、諸々の結果は来月出るということで少し時間ができました。 次の課題は『社会貢献したくなるコピー』という、また難問です。この解説の確認から始めます。 課題3 社会貢献したくなるコピー 寄付、ボランティア、プロボノ等をはじめるきっかけは

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.22

課題3:社会貢献したくなるコピー  ・小さなヒーローが増えれば、  スーパーヒーローはいらなくなる。嫌いじゃないです。こういうコピー。 やっぱり、若い方が書いたコピーだった。でも、意外にも作者は女の子。ジェンダーの差別的に聞こえてしまうかもと思いながらも、中高年が持っている記憶から浮かぶのは、男の子。夕方にやっていた少年時代のヒーロー物番組と、なりきり度がハンパないヒーロー遊び。怪人役のときは、相当テンション低くなったな〜。(笑) 月光仮面のマントとサングラス、ライダーベ