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第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会

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SCCが開校する「コピーの学校」。その教頭として「第10回SCCしずおかコピー大賞」のファイナリスト作品で反省会をしています。 全60作品を教頭はどう考えるのか!? 独断と偏見、…
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2020年6月の記事一覧

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.38

課題4:女性が新しいことにチャレンジしたくなるコピー  ・尻込みする私のお尻は、どんだけ重いのかしら。しずおかコピー大賞の中で、大賞、準大賞に続く3番目の賞「SCC賞」。 地元静岡で活動するコピーライターたちが感じる、その年・その場所・その人たちによって醸された「静岡の気分」が適度に反映されたコピーライティングに与えられる賞になっていると思います。 この意味において、賞としての統一感はなく、毎年ちがう趣のあるコピーが選ばれているように感じられる部門だ。 第10回を記念する

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.39

課題4:女性が新しいことにチャレンジしたくなるコピー  ・ヘタでも、私の新記録。 『女性が新しいチャレンジをしたくなる』という問いに対して、このコピーは疑問をなげかけている。そもそも、何で女性に限ったことを公募するのか?! 公に募ると書くからには、自らの影のように課題も時代性を投影する必要があるのではないか。何度か反芻していると、性差を性格と同意と捉えようと試みる時代に、誤ったカテゴライズを指摘するような問いかけ返しにも聞こえてくる。 私には(まあ男性ですけど)、このコピー

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.40

課題4:女性が新しいことにチャレンジしたくなるコピー  ・白馬は家に入れない。 女性が持つシンデレラ・コンプレックスかーーー。これは『新しいこと』の源泉なのだろうか? 『家に入れない』。そりゃそうだ。馬が入れる大きさの家ならば、その女子は資産家の子女だろう。現代であるならば、潤沢な資産の元、新しいことをやり尽くしているのではないかと邪推してしまう。 作者はじぶんの楽しさをコピーに込めている。だが、問題は受け手のベネフィットを探求しているのか?! ということなのだと思う。

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.41

課題5:気軽に、楽しく、      カウンセリングを受けたくなるコピー  ・誰にも言えない誰かに言いたいことすごいハードルが聳え立ったように思えた。この課題、医療行為を広告するわけです。生死にも関わる医療行為。これをコピーで訴求することを公募してしまうとは。しずおかコピー大賞は、大胆に踏み込んだものです。 この課題のファイナリストを考察する前に、医療広告について基本的な事項を知っておくと良さそうです。以下のリンクを確認して、課題を俯瞰してみましょう。 出典:医療ビジネスブ

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.42

課題5: 気軽に、楽しく、カウンセリングを受けたくなるコピー ・少しこぼすだけでもOKです。ここに「こぼす」というコトバがある。性質の違うもの、物質は器に非物質である気持ちは胸の内に留まることで、「こぼす」と表現される同じような性質のモノに変換されるようだ。コトバの上の錬金術。改めて、日本語というのは面白いと思った。 まず、辞書でコトバの確認をすると、 「こぼす」 【零す・溢す】 ① 不注意から器を傾けたりして、中の液体・粉末・粒状の物を外に出してしまう。 「コーヒーを-