東京と地方のテレビ事情
大手マンションメーカーで広報担当15年、PR会社経営15年のPRプランナーが、地方の中小企業に特化した広報PRのヒントを発信しています。
1.NHK、民放テレビの概要
日本のテレビ局は、NHKと民間民放(民送)、さらにCS(通信衛星TV)、BS(衛星TV)、ケーブルテレビなどに分かれます。
皆様お馴染み、NHKは東京を本拠地として全国47都道府県に放送局を置き、それぞれに番組やニュースの制作を行っています。日本全土くまなく視聴できる公共放送(国営放送ではありません)で、電波媒体としては国内で最大の影響力を持ちます。公共放送という立場から、特定の団体や企業の利益につながる場合は、具体的な会社名や商品名を画面やコメントに出さないようにしています。(ただ最近はこのルールも少し緩くなってきているような印象です。)
民放は、キー局となる大手5社(フジテレビ、テレビ朝日、日本テレビ、TBS、テレビ東京)が東京にあって、大阪、名古屋にはその系列の準キー局が5社あります。そしてその他の各県に本社を置く1社~4社のローカルテレビ局が、キー局の系列として全国ネットワークを形成しています。ローカル局は全体の放送時間の何割かを全国で共通の番組にあて、そのほかの時間は独自で制作した番組を放送しています。
民放テレビのキー局はNHKと違い、東京(首都圏)以外には取材拠点を持っていません。ですから、地方でのスポット的なニュースは系列のローカルテレビが取材して、キー局を通じて全国に流す体制を取っています。全国を揺るがす大事件や事故、災害のときはキー局から各地に取材班を派遣することもあります。
2.民放ローカル局は、地域の話題を待っている
民放は、地方では各県に1~4社のローカルテレビ局があって、地元に密着したニュースを放送する番組を持っており、優先的に地元の話題を取り上げるようになっています。
地方のニュース番組はたいてい、正午前後と夕方(17時~18時台)、夜(21時台)などに分かれて放送されます。平日夕方の時間帯の全国ネットニュース番組のうち、1時間前後が各地方局の持ち枠となっていることが多く、この時間帯を埋める量のニュース素材を毎日集めるのに、各局とも苦心しているのが実情です。
また近年、地元の頑張る企業を紹介する経済情報番組がローカルテレビ局で目立つようになってきました。これらの番組の多くは、社長へのインタビューなどていねいに取材し、5分~30分にもわたって放送してくれるので企業にとっては大きなパブリシティ効果が得られます。
地方のテレビ各局は、地域の文化と共に地域経済を活性化するという使命を持っていますので、そのネタを放送することで地域にプラスの刺激が生まれると判断すれば、取材します。ぜひ積極的にアプローチして取材を獲得したいところです。
3.独立UHF局、ケーブルテレビはエリア限定
5大ネットワークに属さない民放として独立UHF局があります。これは、首都圏近郊や関西など、キー局・準キー局がカバーするエリアの各県で、ローカル情報を中心に取材・放送するテレビです。地域の特色を生かした番組作りで地元の固定ファンをつかんでいます。
そのほか、各地域のケーブルテレビ局も地域に密着した情報を集めて報道しています。地元の情報に特に関心が高い高齢者などに視聴者が多く、地域密着のイベントを開催するときなどに情報を提供すると効果的です。
4.ラジオも価値が見直されている
各県にはNHKと、主要なテレビ局の傘下のAMラジオ局、また、全県域で聴取できるFM局と、市域に限定されるコミュニティFM局などが独自の番組を放送しています。
ラジオの視聴者はテレビほど多くありませんが、地方では通勤の行き帰りの車の中で必ずラジオを聞くようなコアなファンがいますので、情報番組などでイベントや新商品を紹介してもらえば、パブリシティにつながります。
また、数年前に全国のラジオ番組が放送終了から7日間インターネットを通じて聞ける「radiko」のエリアフリー、タイムフリーサービスが開始されたため、メディアとしての価値が見直されています。
自社のPRやブランディングの方針に沿った、有効な露出を進める意味でも、あらゆるメディアの放送に触れる機会を持つのも、広報の大事な仕事なのです。
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