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低コストな広報「トリプルメディア戦略」

マンションメーカー広報担当15年、PR会社経営15年のPRプランナーが、地方の中小企業に特化した広報PRのヒントを発信しています。

1.既存の「トリプルメディア戦略」は広告がらみ

10年ほど前から、マーケティングの教科書の中に「トリプルメディア」という言葉がひんぱんに登場するようになりました。みなさんもどこかで耳にしたことがあるかと思います。

これは、企業と社会(顧客)の接点となるメディア(媒体)を①ペイドメディア(広告媒体)②オウンドメディア(自社所有媒体)③アーンドメディア(口コミ媒体)の3つに大別し、各メディアの特性を生かして最適化することで社会的な認知、見込み客の獲得、顧客との信頼度向上、情報の拡散までを実現するという流れです。

この理論では、企業は自社媒体(Webサイト、ブログ、会社案内など)口コミ媒体(SNS、テレビ番組、新聞記事など)とともに、広告媒体(テレビCM、新聞広告、折込チラシ、リスティング広告など)も戦略上必ず使うことが前提となっています。

2.中小には中小のための「トリプルメディア戦略」

でも、売上高数千億円の大企業、上場企業ならまだしも、地方の売上数千万円~数億円の中小企業の、なけなしの予算の元本を保証してくれる広告媒体はありません。中小企業にとって、形はどうあれ、広告はリスクが高すぎるといわざるを得ません。

なので、私はこれを自己流にアレンジして、中小企業がより取り組みやすい「トリプルメディア戦略」を提唱しています。ペイドメディア(広告媒体)は初めから除外し、①オウンドメディア(自社媒体)②マスメディア(広報PR・パブリシティ)③ソーシャルメディア(SNS)の3つに分類しました。

このトリプルメディアが有効に機能すれば、基本的に広告費用が掛かりませんから、中小企業でも認知度を向上し、信頼を獲得し、顧客とのつながりを継続することができます。

①オウンドメディア(自社媒体)
コーポレートサイト、ブログ、メルマガ、店舗装飾、商品パッケージ、社員の応対など、表現や露出をすべて自社でコントロールできるコンテンツの絶対量と中身を充実させていきます。

②マスメディア(パブリシティ)
プレスリリースを活用して新聞記事やテレビニュース、情報番組などでの露出を増やしつつ、オウンドメディアに誘導して信頼度を高めます。

③ソーシャルメディア(SNS)
マスメディアでの報道やコーポレートサイト、ブログなどを見た人、あるいは実際に店舗を訪れたり商品を買ったりした人が、FacebookやTwitter、Instagramなどで体験談やビジュアル、評価を拡散してくれるよう、自社のイメージを高め、良い評判が人から人に伝わるようにしていきます。

3.「トリプルメディア」で開く中小企業の未来

 インターネットの出現やSNSの普及は、全人類にとって、それまでの概念を大きく変える衝撃敵的な出来事でした。Windows95の出現の前と後で、われわれが1日にアクセスできる情報の量は1000倍以上に増えたともいわれています。

 その中で、新聞、テレビ、雑誌などマスメディアのありかたも様変わりしてきていますので、企業のパブリシティ戦略も10年前のままではありえません。

 いつまでも、プレスリリースを作って記者クラブで発表するだけのパブリシティしかできないようでは、情報感度の高い若手のリーダーが指揮する新しい会社に駆逐されて、早晩ジ・エンドになってしまいます。

いま、あなたの会社でできる、精いっぱいの知恵と力を注いで、全社をあげてトリプルメディア活用の仕組みを作ってください。情報の循環をスムーズにし、良い評判がスパイラル的に拡散していくようになれば、地方の小さな会社でも、今後広告費を一切使わなくても、全国的な認知度とブランド価値を手に入れることが可能です。

長い年月にわたって地域ナンバーワンの企業であり続け、また同業界の競合他社が鎬を削る中で勝ち残っていける、強い会社になれるはずです。

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