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忘れた頃にも取材はやってくる

マンションメーカー広報担当15年、PR会社経営15年のPRプランナーが、地方の中小企業に特化した広報PRのヒントを発信しています。

1.リリースから2年置いてテレビに登場したお店

ローカルテレビの某情報番組を何気なく見ていたら、ある蕎麦店のご主人がにこやかにインタビューに答えていました。実はここ、私が2年前、あるクライアントを通じてPRを依頼されたことのあるお店でした。

築100年以上の屋敷をリノベーションして店をはじめたもので、古風な庭を眺めながら、贅沢な気分でおいしい蕎麦が味わえる店として紹介して欲しいと、プレスリリースを作って各メディアにプロモートしたのです。

実は、そのリリースを配布したときのマスメディアの反応はいまひとつでした。地元紙や雑誌がいくつか取り上げてくれましたが、結果は満足のいくものではなかったのです。

ところが2年以上経った今、番組に取り上げられているではありませんか。それも結構念入りに取材してくれています。驚いてテレビ局の知り合いのディレクターに電話してみたら、「いただいた資料を読んで興味がわいたから、いつか取り上げたいと思っていました。なかなか合う企画ができなくて、延び延びになっていたんです。遅くなってすみません」という返事。

そのディレクターが、例のリリースをずっと保管してくれていたのです。取材されなかったのは、タイミングが合わなかっただけのこと。ボツになっていたわけではないというのがわかってホッとしました。

(タイトルの写真とこのお店は関係ありません)

2.送ったリリースを全部取っていてくれた

また、これは私の関わった案件ではないのですが、ある学生服専門店の社長が地元のマスメディアに熱心にプレスリリースを送っていたそうです。

衣替えシーズンや新入学シーズンにはいろんな企画を練ったり、凝ったホームページを自作したり、切り口を変えて5回ほどプレスリリースを送ってみたけれど全く反応なし。見事に全滅。「やっぱり、うちのような個人商店にはマスメディアは来てくれないんだ」と、完全にあきらめかけていたとき・・・

ある日、全国紙の記者から「取材に伺いたい」という電話が入ったそうです。取材の趣旨などを聞くうち、その記者から意外な一言が飛び出しました。「○○のサービス、まだやっていらっしゃいますか?」

これまで送ったプレスリリースを手元に取っておいてくれたんですね。

そして、新入学シーズンに先駆けて「制服選びのコツを専門店に聞く」という特集記事を企画し、その社長に取材を申し込んで来たということです。おかげで、同紙の地方版に大きく写真入りで掲載されました。 

そしてその後、記事を読んだ別の新聞社からも数社、取材され、記事掲載してもらったそうです。

3.継続は力なり

マスメディアが記事やニュースとして取り上げるには、新規性だけでなく時代性や社会性も必要になります。その時々で読者や視聴者に受ける内容も変わってくるため、いくら良いネタでもタイミングが合わなければ報道されないことも多いのです。でも反対にマスメディア側が、報道できるタイミングを待っていることも多いわけです。

つまり、マスメディアに何度かプレスリリースを送って、その時は取り上げられなかったとしても、継続的に送り続けていれば、いつかは陽の目を見ることもあるということです。 

何より、一度マスメディアに掲載されれば、他のマスメディアの目に止まる可能性が高まります。記者にとって、他のマスメディアが報道した会社は、それだけ安心して取材できる先でもあるわけですね。ひとつの記事をきっかけに、加速度的に取材が増え、露出度が高まって認知度が一気にアップするというケースもよくあります。

要はあきらめずに続けること。そして、一度ぐらい記事が掲載されたからといってそれで満足しないことです。PRでもやはり「継続は力なり」といえるのです。

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