プリフロップのコミットについて
プリフロップのコミットとはなにかについて、大雑把に下記に記載します。正確なものではないです。
(1) プリフロップにおいて、相手が自分が既にかけている額の3倍未満のオールインをしてきたときには、ほぼすべてのハンドをコールしないと損をします
(2) プリフロップにおいて、相手が自分が既にかけている額の3倍未満のオールインをしたときに、それにコールできないハンドでレイズ/コールすることは基本的に損になります
(注意) 両方とも、オールインの後に他のプレーヤーがそれ以上の額を賭けられないことが前提です
(1)ですが、例えば
このような形でBBの三倍のオールインが入ったときにBBがコールしないといけないハンドは
このようにすべてのハンドになります。この理由は、プリフロップではどんな弱いハンドでも最低限の勝率(約30%)が存在し、その勝率分勝てたらBB(=今賭けている額)をただであげるよりも、コールしたほうが損が少ないためです。
最低限の勝率から計算すると、約3倍までのレイズはコールしたほうがフォールドするより損が少ないというのが一般的に知られています(※)。なので3倍以下のレイズには必ずコールをすることになります。これをコミットと呼びます。
(※)厳密には、3倍未満でもコールすると期待値マイナスになってしまうこともあります。
次に(2)ですが、(2)は(1)の応用のようなものです。例えば
プレイヤー2がリレイズをしました。この時のプレイヤー2のレンジは以下のようなものです。
ちょっと分かりずらいですが、AK-A9といったヘッズアップでは強いハンドの他にJ3oみたいな沢山のすごく弱いハンドを低頻度でレイズに混ぜています。ここでプレーヤー1からオールインが入りました。
オールインの額は今賭けている額の4倍以上です。(1)で話した3倍を超えていますので、プレーヤー2は下記の通りフォールドすべきハンドがあります。
ここでもし、プレーヤー1がレイズ額の3倍以下しか持っていない場合はどうなるでしょうか。例えばこんな状態を考えます。
この時のプレーヤー2の推奨アクションは以下の通りです。
そこに、先ほどと同じようにプレーヤー1からオールインが入ります
オールインの額は今賭けている額の3倍以下です。(1)で話した3倍を下回っていますので、プレーヤー2は下記の通りレイズしたハンドをほぼすべてコールします。(23oは30%よりも勝率が低すぎて、コールするほうが損なのでフォールドしています)
ここで注目してほしいのは、前者の場合と後者の場合で同じ額でリレイズしているのに、snowieの推奨ハンドレンジが違うことです。
これは、相手がオールインしてきたときにコールをすると損なハンドについては、そもそもレイズをせずにコールに回したりフォールドしたりすることを示しています。(有効スタック量からアクションを変えている部分もあるかと思いますが)
トーナメントでよく問題になるのはこの(2)で、相手のスタックの1/3を超えてしまう(=相手のオールインにコミットしてしまう)レイズをどう扱うか考える必要があります。主に以下の3つの方法が考えられます。
1. 最初から相手のオールイン分の金額を出してしまう、出せない場合はフォールド
自分がオールインできるなら、一番簡単な方法です。相手がフォールドしてくれる可能性を上げられるメリットもあります。ただ、ほかの人にさらにオールインを被せられると困るときがあります。
2. レイズをコール/フォールドに、コールをフォールドに変える
そのアクション自体で飛ぶリスクを少なくできます。変える前のアクションより期待値が下がることには注意が必要です。
3. 敢えてコミットするレイズをし、コミットしている相手のオールインには必ずコールする
アクションを変えずに他のプレーヤーのオールイン被せにフォールドできる利点がありますが、プレーが継続する場合(コミットしている相手がコールした場合など)に最適なプレーができないと損をします。
初心者には1のプレーがおすすめかと思います。ある程度なれてきたら、それぞれのメリット・デメリットに合わせたプレーを考える必要があるかと思います。
【おまけ】3倍だからコールはいつでも正しいわけではない理由
例えばこんな簡単なシチュエーションでも、アンティがないと
これだけフォールドが必要になる。
よくある3倍以下だからコールしたいパターン。でもsnowie君は足りませんと言っている。本当なのかを確認するため、まずはオールインプレーヤーのレンジを見ると
このレンジ、まぁ極端に狭い想定ではない。そしてこれと56oの勝率をくらべると
27.3%、つまり30%を下回っている。ここから、コールするとどれだけ損かを見てみる。
大体1.9BBくらい損をしている。結局あまりに弱いハンドでは3倍オールインのコールは正当化されないことがわかる。真にanyでコールするには2.5倍未満になっているか、デットマネーの割合が多い必要があると考えられる。
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