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コンサル業と構造主義
新卒の頃、ビジネス書でVMDを学び、成功体験を重ねたことがある。だからか、20代ではビジネス書偏重の読書を重ねた。ただ、30代後半からは、ビジネス書以外の分野の多読モードになっている。ビジネス書以外の方が結果的にビジネスに活きる気がするからだ。
今、「はじめての人類学」を読んでいる。
そこで得たものと、自分の経験を少し重ねて書きたい。
まず、本書では、人類学は民族学と民俗学にも通じるところがあるとし、マリノフスキ、レヴィ=ストロース、ボアズ、インゴルドあたりを扱う。
レヴィ=ストロースは、高校生の頃に知ったが、最近読む本にあまりにも頻出する。構造主義を提唱した文化人類学者だと思っていたが、言語学も神話も扱っていて活動の幅が広い。
「はじめての構造主義」は彼についてしか書いていない。つまり、ザ・構造主義の人だ。
また、「神話学入門」でもキーマンとして扱われている。
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なぜ構造主義がビジネスに活きるか。それは、コンサル業とは構造主義のお仕事といっても過言ではないからだ。
実に構造主義の発展とコンサル業の隆興は時期的にも重なると以下の本を斜め読みして気付いた。
コンサルの仕事は虚業とも言われる。現物を扱わないという点では虚業なのかもしれないがそうするとサービス業は虚業になってしまう。
だから、虚業という人は三現主義とは対極のものという捉え方をして、虚業と呼ぶのだと思う。
コンサル業は、現場・現物・現実を重視する立場へのカウンターにみえることもあるから、構造のみを見る仕事としてコンサル業を捉えるとそうなるのだろう。
ただ、構造主義は構造を見るが、構造だけをみるのではない。あくまで構造主義では、現象だけではなく構造を見つめる。三現主義を起点に構造をみるのである。構造から考えることはしない。
また、現象と構造の間にある無意識にも注目する。こうしたところは問題解決の基本であるようにも思う。
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こうした説明がわかりにくい人もいるかもしれない。少しだけ、具体的にしてみたい。
言語でいうと、文法は構造にあたる。具体的な会話は構造が外に現れたものだ。会話をするときには文法は意識されない。文法通りに話すと固い。具体的な話の積み重ねで文法外の表現も生まれるがそれを使えなければ通じないわけではない。
無意識で使用され、歴史の積み上げがなく、抽象的なものが構造である。会話はその逆だ。
だから、現場での仕事を会話に置き換えると、構造だけでは通じないことがある。だから、三現主義を備えたコンサル的な仕事にニーズがあるのだ。
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僕たちは仕事で工場という経験の薄い分野に取り組み始めた。まずは顧客への聞き取りを重ねたが、口承ではわからないこともある。僕は過去に工場へ何度もいっている。ただ、機械化の進んだ今どきの工場はわからないし、全ての業態の工場の働き方が見えているわけではない。
特にオンライン商談が増えてからは営業であっても、現場感が持てないのだ。
それで、工場見学などを重ねたのである。これにより、机上の仕事ではなくなったように感じるのだ。
こちらは5月10日に下書きしたものです。