大学での研究生活~研究室配属から研究テーマ決めまで~


こんにちは、ふーきです!
今日は私が大学でどのような研究生活を送っていたのかお話したいと思います!
これから大学進学を考えている人や研究室選びに迷っている人などの参考になってくれたらうれしいです!

・研究室配属
研究室配属は大学や学部学科によって、その時期や配属のされ方が全く異なります。
ちなみに私の学科では大学2年生の後期に研究室紹介があり希望を出して3年生の前期から配属される、という流れでした。私の学校だと4年生前期から配属の学科が多かったので比較的早く配属される学科だったと思います。
また、他学科で多いのが研究室配属の希望者が多い場合は成績順で配属を決めます!というされ方なのですが、私の学科は希望を基に教授陣で先生と学生の相性や意欲、レベル感などを相談して配属を決める仕組みだったので、成績がよければOK!という訳でもありませんでした。(ただ、成績が良い学生の希望が通りやすい傾向はありました)
私の場合は「再生医療関連の研究がしたい!」という強い意志があったのと、どの研究室でどんな研究をしているのかほとんど知っていたので、事前に「この研究室にしようかな」とある程度決めていました。しかし、1研究室だけ私の知らない研究室があったので、一応そこの研究室の話だけちゃんと聞いて、もし興味なかったらそのまま最初に行こうと思っていた研究室に行こうと思っていました。
その研究室は、大学所属の研究所に所属する講師の研究室で、他の研究室の先生より明らかに若手(当時30歳くらい)で教室に入ってきたときに「え?あれが先生?」と思ったのを覚えています。
先生の研究室でしている研究は再生医療分野の中でも組織工学と呼ばれる領域で、簡単に言うと「細胞とかを使って身体の一部を作る」といった研究をしていました。当時そんなことができるのなんて知らなかったので、心臓細胞の集合体が拍動しているのを見て、「え!心臓って実験で作れるの?!」と驚いたのを覚えています(厳密には心臓の一部ですが)。
とにかくその時の衝撃が大きくて、「絶対この研究室で研究したい!」と思い研究紹介が終わった後にすぐ研究室へ足を運び「ここで研究させてください!」とお願いしました。
序盤でも記載した通り、成績が良いだけではダメなので先生の方から「この学生はうちで欲しい」と言って貰えるようにめちゃくちゃアピールしたのを覚えています。
実際に2年生の2月くらいから積極的に研究室に足を運んで先生のお手伝いをしたり、先輩にくっついて実験手法を教えてもらったりしていました。
その結果が奏したのかはわかりませんが、3年生の前期からその研究室に配属されました。

・研究テーマ決めについて
基本的に大学では卒業論文を書かないと卒業できません(例外あり)。その卒業論文を書くには、なんとなくこんな研究しようではなく、先生と打ち合わせの上でどのような研究テーマで卒業論文を書くのかを決める必要があります。
基本的には大きなテーマがあり、そこまで先輩方が進めた研究を引き継ぐ形で、「先輩はここまで研究を進めたから、ここから進めよう!」といった形でテーマ設定がされることが多いです。例えば、「水素エンジンを作る!」という大きなテーマだとしたときに、「先輩が水素で発電させることに成功した!ただ今は少ししか発電できないから、私はもっと発電できるようにしよう!」といった感じです。
実は大学の卒業研究の多くはこうした要素研究ばかりです。先生がご自身の大きな研究テーマを持っていて、そのテーマに準じた要素研究を学生達が積み重ねていくことが多いです。
一方で私は少し特殊でした。先生が研究室をもって間もない(私が2期生)というのと、私が研究職に就きたいという意思を伝えていたのもあり、「自分でテーマを考えてみたら?」という振り出しを頂くことができました。
もちろん全て0から作るのではなく、大きなテーマがありその中の要素研究を0から作ってみていいよということでした。ちなみに大きなテーマと言うのも、先生が特許を取得されている技術(細胞を臓器の形に近づける技術)を創薬に活用するという非常に大きなテーマで、先生の技術を使うということと最終的に創薬に繋がるのであれば、それ以外の縛りは一切ないというものでした。これがめちゃくちゃしんどくてどうやってテーマを設定して卒論として仕上げたのかは次の項で詳しくお話しします。

・私の卒論テーマ設定
まず創薬分野のことも、先生の技術のことも全然知らないので大きなテーマを決めてからはまず現状分析をしました。
実際に創薬分野って今どのような状況なんだろう?(現状)、どうなれば良いのだろう?(目指す先)この2点を徹底的に分析するためにひたすら論文を読みました。最初は専門用語にも慣れていなかった上に英語も得意でなかったため、10ページくらいの論文を読むのに平気で1週間とかかかってました(今だとGoogle翻訳もめちゃくちゃ精度が良くなったのですが当時は専門用語に弱く全然使えませんでした)。何本も繰り返して読んでいくと、専門用語に慣れてくるのでスピードアップしていき、2か月もすれば10ページ程度なら1日1~2本は読めるくらいになってきました。
そうして最初の3ヵ月は現状分析をして、現状と目指す先との差すなわち課題の特定をします。これは、恐らくどんな研究においても必ず通る工程かと思います。そしてこの課題をベースに志向が分岐していきます。例えば、基幹技術(ここの説明をすると話が少しそれてしまうので、独自の技術みたいなイメージを持っていたらOKです)がない場合は「この課題を解決するためにどのような技術を開発すれば良いか」という志向になります。一方で、基幹技術がある場合であれば「ここの課題を解決するためにこの技術を活用できないか?」という志向になります。私の場合は後者になりますので、「創薬における課題で先生の技術をどう応用すればよいか」について思考し続けました。
右も左もわからない状態から3ヵ月程度で的確な課題設定や企画ができるようになることはなく、毎週企画案を提案してボツになるというのを繰り返していました。
ここが一番苦しかった時期で「よっしゃ!これならいける!」と持ち込んで、先生からの質疑に答えられずボツを繰り返していくと、どんどんと自信がなくなり「俺にこんなことできるのか?」と落ち込んでいたのを覚えています。恥ずかしい話、何回か打ち合わせに行かずに先生から怒られたりもしました。
そうした過程がありながらも、なんだかんだ毎週憂鬱になりながら提案し続けるとあるタイミングで、ふと先生から「これならいいんじゃない?試しにやってみたら?」と言って貰えたタイミングがありました。
正直、なんでこれなんだろ?とよくわかっていませんでしたし、今もよくわかっていません。もしかしたら先生が「これ以上ボツにしたらこいつやばくなるかも」というご配慮をくださったかもしれませんし、私自身が少しずつ成長していたのかもしれません。
とにかく突然GOサインが出て、私の卒論の研究テーマが決まりました。とにかくこの時が非常に嬉しくて、約10ヵ月、もう4年生直前の年明けくらいだったのですが、先生を誘って2人で飲みに行ったのを覚えています。


図1. 研究テーマ設定の考え方


ここまでが私の研究室配属から卒論のテーマ設定まででした。
これは1つの例でしかありませんが、もし今後同様の経験をした時に「そういえばnoteでこんな経験していた人がいたな」と思い出してくれると嬉しいです!
一人で孤独に戦うより、同様の経験をしていた人がいた!その人も乗り越えてた!って思うと少しは頑張る力になれるかなと思います!
もし反響があれば研究開始からも書いていこうと思います!お楽しみに!
ではまた!


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