歯科における保険治療と自費治療の違いとは
どうも!
前回は歯科治療がなぜ一回や短期間に終わることができないのかということについて書きました。
今回は歯科治療における保険診療と自費診療の違いについて解説します。
あくまで個人的な意見も含まれますので治療を受ける際の参考にしてみてください。
医科と歯科の保険診療の違い
まず我々、歯科医師の認識と一般の人の認識の違いから確認していきましょう。
医科と歯科の違いとして保険診療内で治療可能な範囲が違います。
医科であればほとんどの疾患に対して保険が適応可能です。
そして医師に対しての報酬もそれに見合ったものがあり、精度も十分なものと聞きます。
しかし、歯科において現状の保険診療は、現在の症状を無くすレベルの最低限の治療になります。
正確には予後のことを考えて確実な処置をしようとすると治療に対しての報酬が見合ってないので、歯科医院経営が難しくなります。
なので決められた時間内に端折れるところは端折って、一時的に生活に困らないレベルまでの治療が基本になってしまっているのがほとんどの歯科医院で行われてる保険診療です。
保険診療の制限
上記の説明だけ聞くと保険診療は適当なのか?適応症が少ないのか?という疑問が出てくるかと思いますが、そうではありません。
基本的に歯科でもほとんどの治療が保険で治療可能なことが多いです。
しかし手技が煩雑で時間や材料のコストがかかる治療でも保険点数が低く採算が取れないのでやりたがらないというのが正確かもしれませんね。
まぁ医科と違い命に直結することは少ないですし、医院が潰れてしまっては元も子もないので、仕方がないのかもしれません。
もう一つの問題は使用できる材料についてです。
簡単に医療保険と説明すると
国民が毎月保険料を支払い、病院を受診した際は国民が支払った財源と患者本人が3割を支払うことで国民全員が平等に医療を受けられるという制度です。
ちょっと苦言を呈すると
しっかり納税している人は3割負担ですが、生活保護(外国人含む)の人は無料でも受けられているのが現状です。
お金を支払っている人も支払っていない人も同じレベルの治療が受けられてしまう制度なんですね。
そんな制度で当然全員に良質な材料などは使用できません。
なるべく安価なものを使用することになります。
つまり術者の技量ではなく材料的なところで精度や質が低いものになってしまっている部分もあります。
もちろんデメリットだけではないです。
他の国と比較して安く医療を受けれるのはメリットですし歯科においても歯石の除去や抜歯に関しては保険診療内で全く問題ないと思います。
いわゆる「補綴」と言われる失った歯の形態や歯そのものを補う治療に関して、保険診療はデメリットの方が多いと感じます。
自費診療の可能性
保険診療には制限がありますが、自費診療にはそういった制限はありません。
ぶっちゃけ治療の流れなども歯科医師の判断で無視できます。
しっかり歯ブラシができており、歯肉の状態も良好な人に対しては、そこまで期間を空ける必要がないと判断できます。
その場合は短期間で治療を終えることも可能です。
飲食店、アクセサリー、車など良いものにはそれなりのコストがかかるのは普通のことですよね。
医療も同じで精度が高く、人体に良い材質のものを使用するためにはコストがかかります。
高品質にはそれなりの理由があるんです。
保険内で良い治療というのは
100均でブランド品を買いたい
ファミレスで高級な寿司やお肉を食べたい
通常の価格でグリーン車やビジネスクラスに乗りたい
このくらい難しいです。(ちょっと盛りました。)
可能な限り最大限の治療はしますが、10年や20年、30年保たせることが可能かと言われると難しいです。
あとは先生の考え方にもよりますが
私は自費診療においては、高い金額を頂いている自覚をしっかり持ち
自分の知識や技術を最大限発揮して全力で治療に臨ませてもらっています。
こういった一つの治療に対しての熱意も変わってくると思います。
まとめ
よくわからないからとりあえず保険で
ということがほとんどだと思いますが、ご自身の体に直結する部分であり
口腔内の疾患は「命」に影響することは少ないですが
「生活の質」に直結する部分だと思っています。
美味しいものをいつまでも食べられるように
人前で歯を出して満面の笑顔ができるように
再治療や抜歯にならないように
私は、このような願いを持って個人にあった治療を提供できればいいなと考えています。
なので、皆さんが今後歯科に受診する際は少しだけでも自分の口の中に入る材料のこと考えてみてください。
次回は久しぶりに筋トレに関して書きます!
ではまた!
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