渋谷のスト高LJK
この記事は2021年7月5日 16:22に書かれたものです。
結局、直感で行動するといい。
もうほとんど引退しているぼくの背中を押したのは、ナンパを始めるきっかけである、チバさんだった。
そこに明確ななにかがあるわけではない。けど直感で思った。
行くか。
だれにも声をかけず、ひとりで犬に出ることにした。
月曜日は渋い、というのが世間からしても当たり前だが、今日はちがう。緊急事態宣言が明けてから街のようすが変わりつつある。しかも、3月末ということで出会いと別れのある若者たちは気が気でない。
そんななか、二度見してしまうほどには、美しい女の子とすれ違った。
よし。すぐに方向転換をして声をかける。
「こんばんは、おつかれさまです。」
ぼくは、低スクリーニングのアプローチを好む。そっちの方が、拾える層が広がるからだ。
「あ、はい。」
この程度でも反応が取れれば上等だと思っている。というよりもトークが始まらないと何も始まらないのだから、まず反応を取る。
何回か会話のラリーして、彼女はぼくのこころを大きく動かした。
「18歳です。」
合法LJKとの戦いが始まった。
無垢なその子はついてきてくれたもののとても警戒していた。
警戒心を解く方法は、自分のなかで3パターン決まっている。そのうちのひとつがたまたまヒットし、さっきまでの警戒心は興味へと変わっていた。
今回は直ホは狙わず、バーに向かった。長期的な関係を望むぼくは、ヤリモク感を消したいという気持ちがある。
しかし今回はそれよりも、きっと知らない男性についていくのが初めてなこの子に、『余裕な大人』を見せたかったのかもしれない。
バーにつくなり、席へエスコートする。そして、相手のジャケットを軽くつまむ。彼女もそれに気づきジャケットから体をぬいた。
ジャケットを脱いだ彼女は両手で自分の顔を塞ぎ、照れた様子で
「はじめて脱がせてもらった。」
と驚いていた。
済ませるでもなく、なにか反応を取るわけでもなく。ただ無表情の奥で、可愛いなと思っていた。
むしろ、男子高校生でそんなことができる子がいたら、モテるよりも引かれるかもしれない。いまこの年齢だからできることか。とすこし学びになった。
まだ未成年の彼女に、ノンアルカクテルの『ピーチオレンジ』を勧め、それにお酒が入ると『ファジーネーブル』ということを教えてあげた。
「へぇ!」と目をキラキラさせた彼女に、ぼくは既にうっとりしていた。
まだ挑戦しきれていないであろう化粧は、18歳らしくナチュラルで、それであっても十分美しかった。ここまでくると、即りたいよりも、鑑賞したい。というか、妹にしたいという感情も湧いてくる。
彼女はぼくの過去のことについて知りたがっていた。きっと、いまの自分と比べたいのだろう。
スポーツバカだったこと、勉強がとにかくできなかったこと。どうしようもない人生だったけど、努力して報われたことを話した。
真剣にも、朗らかさがあるその表情は、話をしていて気持ちよかった。
まだ、ファジーネーブルじゃないそれを飲むと彼女は、「あま~い笑」とこちらが知っている感想を述べてきて、またそれが愛しかった。
「2年後はここでファジーネーブルを飲もう。約束ね」
「え、2年後の約束なんてしてくれるんですか!?嬉しいです」
美しい女の子は若いうちから経験値が高い。それは圧倒的に『美』という価値があるからで、可愛いくて賢い子からいろんな初体験を経験していく。
こうやって知らない男たちが近寄ってきて、いろいろ教え込まれているのだということを、自分の行いを俯瞰して、理解した。
若い女性の初体験を奪うのは気持ちが良い。というのも、初体験の表情は、その子が初体験をするときにしか見ることができず、こころが動いてるのが丸見えなのだ。そして、その表情が癖になる。
店を出て、すぐ近くのホテルに入る前には、手を繋いでいた。ぎゅっと繋がれたその手には十分すぎるくらいの信用があると確信できた。
どうやらこちらは初体験じゃないみたいだったが、ホテルははじめてらしく、それは緊張していた。受付の人に対して子犬のようにぼくの後ろから様子を伺っていたのも愛しかった。
部屋に入って腕を引くとそのままの勢いで胸に飛び込んできた。
すべてを受け入れてくれてあまいキスをした。
・ ・ ・
LINEを交換し、つぎの予定も入れた。大学がはじまる前みたいだ。
さて、つぎはどんな初体験を奪おうか。