初期設定の愛 41.前世の一致と女神への祈り
20代のころ、ヒプノセラピーを受けたようだ。
複数の前世らしきビジョンを見て、思い出したという。
これらの前世でご縁のあった人と何人かは今世で再会しているともいう。
「江戸時代、江戸の町娘だったの。」
女神がうれしそうに語る。
家族経営の茶屋の娘だったそうだ。
裏稼業で女忍者(くのいち)でもあったという。
このときの人生で出会った人の中で、今世でも出会っている人が複数いるという。
「ねー、コージ君はこの時、どこかで出会ってないかな~?」
「さ~。どうだろうか。」(さすがに回答に窮する。)
他にも前世あるんだけど、
ヨーロッパからアメリカへ渡ったんだけど、そこで病気で死んでしまったの・・・それで、その時に、最後まで看取ってくれた男性がいたんだけど、その人コージ君じゃないかな~?
その人を探しているんだけど、まだ見つからないのよ。
(お礼でもしたいのかな?そう感じた。)
もしかして恋人か旦那さんだったの?
「そうじゃないの。その人のことは別に好きとかの感情はなかったと思う。病気の看病をしてもらった。好きな人は遠くにいたの。ヨーロッパだと思う。遠く離れてしまったの。」
想い人を遠くに残し、異国へ旅立った。そして、その地で病死した。
何と悲しいストーリーか。
実は、この女神の前世を聞いたのは、昨年の3月。
前述の筆者の江戸時代の隠密の人生の前世を見たのが同年8月である。(注)
女神の前世の話を聞いて、自分自身の前世を知りたくなったのがヒプノセラピーを受けたきっかけだったのだ。
女神の質問に対してのアンサーを探したかったのだ。
筆者は、江戸時代の隠密だった人生以外にも、この時、もう一つ前世を追体験していた。
場所はヨーロッパ南部あたりだろうか?フランスとかスペインあたりだと思う。薄暗い空間にいる。自分ひとりだ。
もしかすると洞窟のような場所かもしれない。
それとも、自ら自作した掘っ立て小屋のような、自分専用の礼拝堂のようなものだろうか。
周辺の状況は、ぼやけていてはっきりしなかった。
感じるイメージとしては、この彼は職人?あるいは大工か何かを職業としているような感じだ。他人とあまりかかわらず、一人で黙々と仕事をするような朴訥(ぼくとつ)とした田舎の青年だ。
間違いなく庶民階級だろう。
その空間の一番の奥、壁際に女神像が立っている。等身大程度の大きさだ。自作の女神像かもしれない。煌々しいが、煤けた印象だ。とても古い女神像だ。
ー かすかに自然光が入り込む程度の薄暗い空間 ー
女神像の足元にひざまづいて、目をつぶり両手を胸の前で組んでいる。
頭を垂れて、心静かに一心に祈り続けている。
だれもこないこの場所で、何時間も祈り続ける。
時間の許す限り、毎日彼はこの場所にくる。
まだ年は若い、30代前半くらいだろうか。ひそかに思いを寄せていた女性(ひと)が遠い異国にいってしまった。そしてその地で亡くなった。そんな知らせがきたようだ。
10年・・・、20年・・・、いや・・30年か・・・、彼はこの生涯を通じて祈り続けた。来る日も来る日も、この女神像のある洞窟へ通った。
人生の大半を費やして女神像にひたすら祈り続けた。
心の平安を得るため・・・。彼にとって唯一の救いだったのだ。
すべてを委ねる。すべてを差し出す。信じ切る。
祈り続けるしかなかった。
(彼の心情を思うと、筆者は、筆舌に尽くしがたい思いになる。やはり涙がでてしまう。今また、涙が溢れている。バトンは受け取った。必ずやり遂げる。)
その女神像は ”マグダラのマリア像” だろうか、直観的にはそう感じる。
これは後考察であるが、ヨーロッパからアメリカへの移民が多かったのが、19世紀ごろのようだ。
時代的にはこのころだろうか。
マグダラのマリア についての詳細は下記サイトへ譲ります。