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ライオンはやっぱり王だった【世界一周154日目】

世界一周154日目。朝5時半にアラームが鳴る。身支度を整え、テントから出る。外は真っ暗。まだ夜明け前だ。

6時から朝食。世界一周の旅で最も早い時間の朝食だ。まだ起きたばかりでお腹は空いていないが、食べられる時にしっかりと食べる。

朝食を食べ終えると、あたりはすっかり明るくなっていた。カナダ人2人と僕3人で宿を出発。カリフォルニアの2人が泊まっている宿へ向かう。道はそれほど悪路に見えないが、まったくもって平坦ではない。上下前後左右、TOYOTAの4WD車は大きく揺れる。

彼らの宿に到着。カリフォルニアのカップルは、僕たち3人とは違う宿なのだ。明らかに高級な雰囲気が漂う宿だ。うらやましい。5人そろったところで、国立保護区へ向かう。

保護区の入り口で停車していると、車の周りをマサイ族の物売りが囲む。助手席に座る僕は窓を9割方、上まで閉めていたのだが、わずかな隙間から謎のブレスレットやネックレスを車内に入れてきた。

「これ!見て!」
「ノーサンキュー!」
「どれが欲しい?」

なるほど、マサイ族もマーケティングを学んでいるのか。人は通常、買うか買わないかを悩むが「AとBどっちが欲しい?」と問いかけることによって、いつのまにか、どちらを買うかの悩みに変わり、購入させる戦略。しかしこちらは貯金17万円のコージー。その戦略にはハマらない。

「5ドル!5ドル!」としつこいが、いらないものはいらない。面白いので、動画を撮ろうとしたところ「ノーフォト!」と言われた。

悪かった。でも「いらない」と何度も言ってるのに、人の車(僕の車ではないが)の窓から勝手に商品を入れてきて、しつこく売りつける行為はどうなのだろう。それが許されるなら、写真を撮る権利くらいあるのではないか。

そんな面白い体験をしながら、いよいよサファリへ。

昨日のサファリツアーがウォーミングアップに過ぎなかったことがよく分かった。マサイマラ国立保護区、めちゃめちゃ広かった。

ここからはとにかく動物たちを見まくった。

そして!!

最も楽しみにしていたライオンがお目見えだ。

威風堂々。人間がいくら近づいても、全く自分のペースを崩さない。ひたすら自分のリズムで歩き続ける。

身に纏うオーラが明らかに違う。この広いサバンナの中で、圧倒的な存在感を誇っている。さすがは百獣の王。

他にもキリンがいたり、

チーターが寝ていたり。

ガイドがライオン至上主義を貫いてくれたおかげで、何度もライオンには遭遇できた。

ライオンは寝ていたり、後ろ姿しか見えなかったりすることが多かったのだけど。

ついにこっちを見てくれた!

メスのライオンにも会えた!!

車が近づくと、すぐに逃げるシマウマ。見た目はすごいカッコいいのに、中身がダサい。シマウマの動きを見て、改めてライオンのすごさに気付かされた。

ゾウはやっぱり迫力あった。

そしてたぶん一番よく見たバッファロー。

バッファロー、やばいほどいた。

他にもダチョウやイボイノシシ、サイなんかも見た。たくさんの種類の動物がいるから、見飽きることはない。

そして、大草原の中でのランチも最高だった。

動物たちがいない安全な場所を探して車を止めた。僕たち以外誰もいない場所。僕たちの声以外、何も聞こえない。

サンドイッチだと思ったら、具は何もなかったけど。

ランチボックスは僕ら3人とカリフォルニアの2人は違っていた。ここでも格差があるのかと思った。彼らはサンドイッチだったし、トロピカルフルーツジュースだった(僕たちはただのリンゴシュース)。資本主義ですな。

ランチを食べ終えると、こんな写真を撮っちゃったりして。

それから最後にマサイの村へ。村への入場料として、3000ケニアシリング(約3000円)と言われ、若干もめる。結果、ひとり2000ケニアシリングに落ち着いた。

マサイ族がダンスを見せてくれた。動画を撮ろうとしたら、スマホの容量オーバーで撮影できず。

マサイ族が仕留めたライオンの毛皮でつくられた帽子を被らせてくれた。男子40人でライオンを狩るらしい。ライオンは食べないが、毛皮を帽子にしたり、歯をネックレスにしたりしている。

マサイ族の家にも入らせてもらった。この村には20家族、200人が住んでいるらしい。つまりは1家族あたり10人…?

マサイ族はジャンプ力が高いことで知られるが、なぜなのか。彼らによると、牛乳を飲んでいるから、だと。え?牛乳って僕も飲んでるんだけど。

マサイの男子が妻を迎え入れる時、相手の両親に牛を納めなければいけない。ジャンプ力が高い男子は牛5頭でいいが、ジャンプ力の低い男子は牛を10頭納めるらしい。

人間の価値がジャンプ力で決まる世界。牛が通貨になる世界。


マサイの村の見学を終え、宿へ。道中、牛が大量発生するなどした。

18時前にようやく自分のテントへ戻ってきた。長い一日だった。

今夜も星空を楽しみにしていた。昨晩はちょっと見ただけで、明日じっくり眺めよう!と思っていた。

ところが、今日は曇っており、ほとんど星が出ていなかった。

昨日もっとじっくり見ておけばよかった。本当に残念なことをした。

明日やろうは馬鹿野郎。サバンナで生きる野生動物のように、僕も今を生きなければ。

明日はどんな一日になるのだろう。何があってもマイペンライ!

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