サラダバス【毎週ショートショートnote】
8月最終日の野外フェス、特設ボウルに並ぶ緑黄色の衣装と特大の相棒たち。
ごちゃまぜのベジTでキメたスタッフも観客も、丸ごとひとつのオンステージ。究極にフレッシュで重厚なライブが幕を開ける。
添え物だド底辺だと叩かれ続けた、全員ベーシストのコントラバス・バンドが今日解散する。
寄せ集めでも切れっ端でも、料理次第でメインを張れる。そんな願いを込めたバンド名は『サラダバス』。トマさんキュウちゃんニンジにレイタ、最高の素材がお互いの底力を生かし合い、メジャーへの階段を這い上がってきた。
しょっぱい涙も酸っぱい思いも飲み込んで、深味に変えた重低音。やがてリーダーのトマさんがマネージャーのチズとカプレーゼを組み、非ナマ派のニンジは温度差に悩み、それぞれソロの道を探り始めた。
腹に響くバイブス。ドレッシーで旬なサウンド。舌好調なMCに乗ってスパイスフルなビートが駆け抜ける。
ラストは『ごちそうさま』で大合掌。満腹のボウルに涎が舞った。
副題:Live time is SARADBOWL!