「天上の葦」読了 戦中と現代の話
しばらく読書記録の場にします。
(公募の話はしばらくなしで)
太田愛さんの「天上の葦」をやっと読み終えた!
500Pほどが2冊。上下巻。
私は太田愛さんは、「幻夏」→「犯罪者」→「天上の葦」の順で読んだ。(実際の順番は「犯罪者」と「幻夏」は逆なんだけど、「幻夏」が1冊、「犯罪者」が上下巻だったため、一旦試しに1冊のものを購入)
太田愛さんは、宮部みゆきさんと東野圭吾さんが大好きな私のど真ん中をついてきた。
この作家さんは絶対に好き、と思っていたのに、「天上の葦」を読むのが遅くなったのは、たまたまTwitterで知り合った方が「天上の葦は他と比べて微妙だった」「戦争の話がちょっと苦手で」と聞いていたこともあり、「戦争の話」は好きだけど、そんなに評判良くないのかな?とあまり期待せずに読み始めたというのもあった。
しかし、ど真ん中だった。
当たり前だけど、やっぱり人によって好みって全然違うんだなと思った。私はこの話がダントツで好き。
もともと、「社会派ミステリ」と「戦争もの(近代)」が好きで、この小説の前にど真ん中だったのが「革命前夜(須賀しのぶさん)」。
それ以来の直球ど真ん中の物語でした。
「天上の葦」は、いつもの3人の物語なんだけど、今回の話は「現状の日本の権力への危機感」と「第二次世界大戦を生きた人たちが語る、気づけば自由がなくなったあの時代」を重ね合わせた物語だった。
メッセージ性がとても強いのは確か。
でも、私も知らなかった様々なこと(無差別爆撃への日本と海外の対応の違い。「疎開」という言葉の意味。焼夷弾を当時の人たちはどう言われていたのか。子どもが見捨てられたのはなぜか。当時の新聞社が悪いと言われる理由……)が書かれていて、この話になった下巻の半ばからはほぼ一気読みでした。辞められなかった。
この「メッセージ性、思想の強さ」は賛否あると思うだけど、私は小説というものはこうあってもいいと思っていて、本当に色々考えさせられた。
まだまだ本当に無知だなあと思う。
巻末に書かれた参考資料の多さにも納得。
この流れで次は「小説太平洋戦争」を読みたい、と思いつつ、
最近カドカワのフェアで買ったのを、せっかく発売日近辺で読んだので、早めに読もうかなと。話題作多し。太田愛さんのもある。楽しみ。
太田愛さん、この後に出してるのは情報を見る限り他のシリーズだと思うんだけど、
のこの3人のシリーズはこれで終わりなのか、またあるのか、また合ってほしいなと思う。
ちなみに最近買った「彼らは世界にはなればなれに立っている」も社会派エンターテイメントと書かれているので、楽しみ。