恋するように旅して〜チュニジア編①旅のはじまり
昔から妙に好きだった歴史話がある。
今チュニジアにある、カルタゴをめぐる話である。
海の民フェニキア人が、今のレバノンあたりから渡り作った植民市の1つ、カルタゴ。
地中海を挟みローマ帝国と対立し、ハンニバルという英雄を輩出したものの、最後は敗れ、滅びた国。
文化の交差はもちろん、リーダーシップや戦略論でも名前が出てくるこの土地に魅力を感じて止まなかった。
ならば…ならば行くっきゃないよね!
飛んでまーす。レバノン手前、マップ上エジプトも見えてきた。
そこからまた数時間のフライトを経て…
チュニスに到着!
地中海を挟んでイタリアの対面にあるのがチュニジア。99%ムスリムでイスラム文化が根付いている一方、ヨーロッパ方面からの観光地にもなっていて、いずれのエッセンスも感じさせる融合っぷり。
ホテルから街を見下ろしてみると、日本とはまた違うように感じる5月の太陽。湿度が少ないからか、素直に浴びることができる。
さぁ、待ちに待った晩ご飯。
ぷらぷらっとホテル近くをめぐり、よさそうなレストランへ。
ちょっと早かったのか、チュニスの街のど真ん中なのにわたしが一番乗りのようで貸切状態。
これは贅沢!と思い早速、地元料理の牛肉のつぼ焼きガルグレットをオーダー。
時間かかるかと思ってたら、思いのほか早めにきた。
トマトベースのスープに、牛肉と野菜のだしが出ていてうま味がしっかりきいてる。
お肉の肉ほぐれもよく、食べやすくも肉料理食べてるなぁという満足感がある。
これは当たり!
地元ワインも飲みたくなって、スタッフさんを呼ぶ。
"Can I have wine?”
すると、わたしのオーダーに驚愕の表情を浮かべ、即座に返してきた “A bottle?”
そしてわたしはにっこり微笑み、こう返す。
“Yes, A bott〜le!!”
そしてあらわれた、ア ボトルでございます。
こんなに単数形の意味合いを実感したことないし、未だにスタッフのおじさまは首をかしげている。
まぁ、この気持ちも分からないことはない。
なんていったって、ここは99%ムスリムの土地。
のんびりした国民性と、観光地で比較的他宗教に寛容とはいえ、ひとりで赤ワインまるまる1本と、牛のつぼ焼き頼む女にはなかなか出会えまい。
TVで、ヨーロッパでリアルタイムでやってるサッカーの試合が流れてる。
試合を見ながら肉食べては赤ワイン飲み、赤ワイン飲んでは肉を食べ。
気がつけば完食&ボトル空け。
「ラディ〜シオン、シルブプレ」と聞きかじったフランス語でお会計をお願いすると、おじさまが空になったボトルを見て
リアルにこんな反応になってました。
驚かせてごめん、でも世界にはこんなのもいるんだよ。
さて、いい形で旅のはじまりをスタートできたことに感謝しつつ、明日は憧れの地カルタゴ。
はやる気持ちをおさえながら、夜がふけていきます。