詩「ある老いた清貧の願い」
老人が友人を富ませ
父は祖父に忖度する
老獪な視界の先で
母は娘は頬をひきつらせる
失われた世代は分断を強いられ
若者が絶望を見て権威の広告塔を撃てば
富める老人が群がり最上級の葬式を出すという
子のポケットは裏返され続け
なけなしの一割をむしりとられる
坂を転げ落ちながら願うのは
バスの後ろまでの点検
子どもが死なず若者の苦しまない日常
傾きの増す船を
もうすぐ降りるその前に
2022.09.07
老人が友人を富ませ
父は祖父に忖度する
老獪な視界の先で
母は娘は頬をひきつらせる
失われた世代は分断を強いられ
若者が絶望を見て権威の広告塔を撃てば
富める老人が群がり最上級の葬式を出すという
子のポケットは裏返され続け
なけなしの一割をむしりとられる
坂を転げ落ちながら願うのは
バスの後ろまでの点検
子どもが死なず若者の苦しまない日常
傾きの増す船を
もうすぐ降りるその前に
2022.09.07