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そして、自我。


左を彩る青。

孤独と絶望の色。受容性。

受け入れるしかなかった、どうしようもない今迄。

蝕まれた身体も心も、絶望もなにもかもが私のモノ。

誰にも理解させない、解かせない、私の為に生まれた絶望。

何年も前に死んだ心。

その残骸を掻き集めて左の瞳に押し込めた。

右を彩る黄色。

強い個性と自我、そして危険性。

私を纏う底抜けの明るさは、いつの間にか自分の心を守るための虚像と成り果てた。

ただそれすらも、ひたすらに私という存在で、ただ1人にも殺させない、生かされない、私の為だけの虚像。

今はその危うささえも私の武器で、ただ一つの切り札。

何年も前に失われた光。

その破片を掻き集めて右の瞳に押し込めた。


首元を飾る首輪。

過去に囚われ続ける証。

全ての過去に縛り付けられたまま、その全てを私の1部として飲み込む。

何1つとして取り零すものか。

全ての絶望も裏切りも何もかも私を構成する1つ。

お前らの望む廃人には決してならない。

全て飲み込んで、押し込めて、1部にしたまま誰に渡す訳でもなく終わらせてやる。


口元に光る牙。

社会に噛み付く為の道具。

自分の体を利用して、全てをぐちゃぐちゃに噛み砕いて。

綺麗なままなんて許せない。

私を壊した社会の仕組みと、その中で動く歯車をボロボロにする。

許したくない。許されない。

お前らだけが幸せなんて絶対に有り得ない。

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