大丈夫なフリはしなくていいのかもしれない | 金曜日のひとりごと
5月の連休から、ベランダ改革をしている。
それなりに広さがあるので、洗濯物を干すだけだったその場所に役割を加えてみようというもの。
そこで過ごす時間を作ってみようと、右側半分を夫がウッドデッキにしてくれた。残りの半分をベランダガーデンにしようと、わたしがお世話することにして、少しずつ植物を増やしているところだ。
実は、わたしは鉢の植物を上手に育てられたことがない。今の部屋に引っ越してきてからも少しだけ挑戦してみたが、ことごとく枯らしてしまった。
一方で、室内では夫がお世話をしている観葉植物がすくすくと育っている。
ベランダの植物に不穏な空気が漂うと、すぐに夫に任せたくなる。しかし、夫は手を出さず「水をあげすぎだよ」「たまに液体肥料もあげてみて」などなど、わたしにアドバイスをする。
そうやって、元気がなくなった植物から逃げずに向き合ったことでいろいろと気づきがあった。
なによりも驚いたのが「もうダメかも」と思った植物も、お世話の仕方を変えてみると回復することだった。
植物を育ててきた人からしたら、至極当たり前だろうが、「ダメかも」となったら諦めてしまっていた自分にとっては、かなりの驚きだった。
というか感動した。
あんなに「もうダメかも」って状態だったのに、持ち直してきれいな花を咲かせている。新しい花をつけている。くたっと倒れてしまった茎が再びピンと真っ直ぐに伸びている。
土の状態や日々の天気の移り変わりで、一つひとつその時の対応が変わってくるので、まだまだ手探りの途中ではある。でも、「わたしがちゃんと向き合えばこの子たちは大丈夫」なのだとわかった。
するとなんだか、人と通ずる部分がある気がしてきた。
植物たちの元気がなくなる時、「水が足りない」「水をあげすぎ」とかほんの少しだけ様子を見てわかる時がある。
「こうだから、今は大丈夫じゃありません」
と原因がわかると、「じゃあ、あなたが元気になるように、こうしてみよう」と試行錯誤するようになる。
たとえば、わたしも何かがあって元気がなくなった時、自分をいやしたり、奮い立たせたりするために会う人がいたり、行く場所があったり、観るものがあったりする。
時には何もせず、ひたすら寝ることもある。
きっと、そういう自分にとっての栄養剤のような対処法をわかっていれば、どんなに「ダメかも」って思うことがあっても、また起き上がれるのかもしれない。
周りの人を頼るのが苦手な時もあるけれど、「こうこうこういう理由で、いま大丈夫じゃありません」と言えたら、一緒によくなる方法を考えてもらえるかもしれない。
植物の素直さと強さを目の当たりにして、いろいろなことを学んでいる。