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もし和菓子レシピサイトがトークンを発行したら③ 〜好きなことだけをして暮らしていけるかもしれない。

トークンの価値が高まると、どんな恩恵があるのか?

そもそも、なぜトークンエコノミー形成においてトークンの価値を高める必要があるのだろうか。

 経済や社会の仕組みも人々が望まれなければ、本当の意味での普及は難しい。

トークンエコノミーがブロックチェーンという秀逸な技術で斬新な経済の仕組みだったとしても、人びとの生活をより豊かにするものでなければ、夢物語に終わるだろう。

それでは、トークンエコノミーは私たちの生活にどんな未来をもたらすのか?

「トークンエコノミーは物質的な豊かさと精神的な豊かさをもたらし、より人間らしい暮らしを実現する」

と川本栄介氏は、語る。

特定のサービスやプロダクトに限定された通貨がトークンであり、それらのサービスやプロダクトを中心に循環する小さな経済圏がトークンエコノミーである、

投機目的になっている仮想通貨のようにその通貨自体に価値を見出しているわけではなく、プロダクトやサービスそのものの価値をトークンが代替している。つまり価値あるプロダクトやサービスがトークンエコノミーの中心であることが前提だ。

一つのトークンエコノミーでは、あるサービスやプロダクトを好んだり、その分野での活動を得意としたりする、同じベクトルを持つ人々がトークンを所有する。「その分野での活動が得意」だからこそ、自身が生業としている分野で経済活動に参加することができる。

例えば、レシピを考えて投稿することを生業としている人。

プロのシェフだけでなく、万人が取り入れやすいレシピを考えるのが得意な主婦も、レシピサイトのエコノミーでは報酬を得ることができる。現在も一部のトップクラスの主婦はテレビ出演や書籍出版などで報酬を得ているが、レシピサイト内にトークンエコノミーが形成できれば、今より多くの主婦達が報酬を得る事ができるだろう。

和菓子が得意な人は、スウィーツのエコノミー、絵が得意な人はイラストのエコノミー、文章を書くのが得意な人はライティングのエコノミー、ゲームが得意な人はゲームのエコノミーで、それぞれ今よりも報酬を得られるようになるはずだ。

つまり多くの人々が、特性や特技を活かして自身が参加するエコノミーを選択し、正当な報酬としてトークンを手に入れることができるようになる。

現代社会では何かを生業として報酬を得ようとすると、訓練や資格取得が必要だったり、会社に属するために就職活動をしたりしなければならない。

一方トークンエコノミーなら、まずその経済圏に参加するための準備や手間はほとんどなくなる。参加することも参加をやめることも容易でハードルが低くなるはずだ。最初の一歩は「いいね!」を押して評価することかもしれない。

また、そのようなトークンエコノミーが広がれば、複数のエコノミーに参加しながら報酬を得ることができるようになる。そうなると自身の持つ特性を効率的に活用することができる。

好きなことだけをして暮らしていけるかもしれない。

トークンエコノミーの最大の恩恵は、個人が持つ本来の価値を最大限に活かして暮らせるということだと考えている。


 参照 みんなの経済 川本栄介著
(つづく)














 参照 みんなの経済 川本栄介著
(つづく)

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